その他の登場人物(日本編)

【レイナの家族】

●父

 仕事が忙しいのか本編には未登場。だが、レイナが両親のことを”善良で常識的な親”と思い出していることより、レイナの良きお父さんであったろう。


●母

 本編に登場するも、名前の記載はなし。十八番のスイーツは、パウンドケーキ。

 彼女もまた、レイナの良きお母さんであったはずだ。


●河瀬 政明(かわせ まさあき)

 レイナの兄。大学2年生。19才。身長174㎝。

 レイナが落ちた九石高校の卒業生であり、レイナとは昔から非常に仲が良かった。彼もまた、受験に失敗し落ち込んでいるレイナを他の家族同様に気にかけていた。


 政明とレイナは、一目見ただけで兄妹と分かるほどよく似ている。

 ちなみに政明とレイナ、ジョセフとマリアという、生きてきた世界も身分も違う2組の兄妹だが、年齢差も同じであり、それぞれの身長差も同じである。前者の兄妹は非常に仲が良く、後者の兄妹は非常に不仲(不仲という一言では片づけられない状況であったが)である。


 元の世界に心残りがたくさんあるレイナだが、自分が不慮の事故で死んだのが大好きな兄と仲直りできた後であったことは、せめてもの救いであるだろう。



 レイナがもう一度会いたくてたまらない家族たち。

 彼女が家族たちのことを異世界で考える時、自分が恵まれて育ち、その「家庭環境」を当然のことと考えていたのだと、胸がギュウッと締め付けられずにはいられなくなる。

 レイナがこの家族の元で暮らした15年という年月は非常に短いものであった。

 けれでも、レイナは家族の愛に包まれ、確かに幸せであったのだ。



【レイナのクラスメイト(※)】

(※)レイナが滑り止めとして受験し、

   また不本意に入学することになった私立光海女子高等学校のクラスメイトたち


●川野 留美(かわの るみ)

 高校1年生。15才。身長156cm。

 レイナとは席が前後。ちなみにレイナが前の席。

 年頃の少女らしい清潔感に溢れた可愛らしい外見、ハキハキとした性格で、入学式からまだ2週間程度しかたっていないにも関わらず、クラスの中心人物となりつつある女生徒。

 彼女と仲良くなりたい女の子はもっと他にもいるはずなのに、なぜか彼女はレイナを非常に気にかけてくれていた。

 他のクラスメートとの会話より、県外の中学校より光海女子高等学校に入学したことが判明。


 レイナが死亡する前日の夜に、彼女はレイナと携帯電話で話をした。どうやら、彼女は入試の時より、レイナのことを知っていた模様。

 この夜の電話が、レイナと彼女の最後の会話となってしまった。



●橋田 比南子(はしだ ひなこ)

 高校1年生。15才。身長148cm。

 小動物を思わせるような雰囲気の小柄な女生徒。

 通称「ヒナコ」もしくは「ヒナちゃん」。 

 入学後、留美とすぐに仲良しになったらしく、彼女はおそらく留美と相談し、レイナに声をかけて、自分たちとゴールデンウイークに遊びに行こうと誘ったのだろう。


 だが、第一志望の高校に落ちて、新生活への希望をなかなか膨らませられなかったレイナは彼女の名前を、まだしっかりと覚えていなかった。



●四宮 京香(しのみや きょうか)

 高校1年生。15才。身長161cm。

 レイナのクラスメートであり、なお同じ中学校出身の女生徒。

 レイナとは特に親しくもなく、また特に仲が悪くもなくといった関係であった。

 彼女自身は、奇跡が起きて、この光海女子高等学校に合格することができたらしかった。これは本人談である。


 レイナにブラコンの気があること、そしてレイナが第一志望の受験に失敗し、この光海女子高等学校に入学したことを、つい得意気に留美たちにしゃべってしまった。

 そのうえ、それを最悪のタイミングでレイナ本人に聞かれてしまった。

 だが、彼女自身は性格が際だって悪いというわけでなく、つい言ってはいけないことを言ってしまうタイプだと思われる。



 レイナは、自分が滑り止め――保険としてしかとらえていなかった光海女子高等学校での新生活(つまりは現実)をなかなか受け入れることはできなかった。

 けれども、レイナが不慮の事故で死亡することがなかったとしたなら……


 欝々とした日々のなかに、真っ先に希望の光を運んで来てくれようとしていた留美の手をとり、レイナはごく普通の高校生として、その生活を楽しむことができるようになっていたはずだ。

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