その他の登場人物(異世界編)

第3章まででレイナが移動した町の順番に、そこに住む人物ならび出会った人物を紹介しております。


【首都シャノン】

●アドリアナ王国 国王 ルーカス・エドワルド

 ※本編に直接の登場はなし

 王妃エリーゼの夫であり、ジョセフとマリアの父親。

 詳細な容姿、年齢、また統治能力についての描写はなし。

 娘・マリアの歪みまくっている魂の性質を矯正しようと、専用の教師を付けようとしたこともあった。でも、その試みは糠に釘でしかなかったことは言うまでもない。


 

●アドリアナ王国 王妃 エリーゼ・シエナ

 ※本編に直接の登場はなし

 国王のただ1人の妃であり、ジョセフとマリアの母親。

 詳細な容姿、年齢についての描写はなし。

 12年前の第3子懐妊中、城内の池のほとりを侍女たちとともに散歩していた時、わずか5才のマリアにじゃれつかれ、冷たい池の中に落ち……

 彼女はその時の流産がきっかけとなり、心を病んでしまった。自分が産んだ娘(マリア)の心の中の底知れぬ闇にも恐怖を抱き、マリアの名を聞いただけで怯えるまでになっている。

 ジョセフにとって彼女は弱弱しいが優しい母親である。だが、マリアには「いてもいなくてもどうでもいい」、そしてフランシスには「王妃としての責務を果たしていない」と、作中では言われている。



●この世に生まれいづることができなかった弟王子

 ※ジョセフとアンバーの回想にのみ登場

 アドリアナ王国 第二王子となるはずであった魂。

 レイナが異世界へと誘われるより前、ある秋の夜にジョセフと今は亡きアンバーが城内の池周りを歩いている時に、繊細であり清らかで美しい花の姿で現れ、ジョセフに喋りかけた。

 喋る花として登場した彼は「さる者より話を聞き、ニーナレーンの海より、しばし抜け出してきた」と、そして「今より2か月後の青き月が満ちる夜が、流れを変えることのできる時」であるとジョセフたちに告げた。そのうえ、アンバーが「この世を守る大きな存在となる女性」であるとも――

 彼の言う通り、”2か月後の青き月が満ちる夜”にマリアの魂はその肉体から追い出され、レイナの魂がマリアの肉体に入ることとなった。

 そして――

 その後、アンバーも確かに”この世を守る大きな存在”となった。


 

●サマンサ・アンジェラ・ベル

 城に使える侍女。15才。身長155cm。

 マリアによれば彼女は”野に咲く花程度の可愛らしさ”であり、なおジョセフに色目も使っていたらしい。

 フランシスに妖しげな魔法薬をもらったマリアが、その魔法薬を試したかったというそれだけの理由で、マリアによって顔半分に大やけどを負わされてしまった娘。

 件の魔法薬は特殊なものであるらしく、その”事故”(マリアは故意ではないと言い張っていた)より半年以上たっても、彼女のなめらかな肌をジュクジュクと焦がし続けていた。

 癒えることがない肉体の痛みとともに彼女の心は壊れていき……

 レイナが自分がこの世界に誘われた経緯など何も知らずに泣き続けていた時、彼女は自分をこんな目に遭わせた”マリア”を殺そうとし、”レイナ”を襲った。

 おそらく彼女を手引きし、レイナの部屋にまで連れてきた者がいると思われる。

 彼女に襲われたことが原因となり、レイナはまだ魂が完全に馴染んでいないマリアの肉体ごと、首都シャノンから最北の町・デブラまで移動してしまうこととなった。



●アーロン・リー・オスティーン

 ※本編に直接の登場はなし

 アンバーの父親。そして、彼女と同じく、城に仕える魔導士であり、国王の側近。

 詳細な容姿、年齢についての描写はないが、高齢であるらしい。

 彼とレイナは直接の面識はないが、レイナがデブラの町に移動した時の彼女の居場所を探し出したり、フランシスとの戦いにおいての万が一の時のための薬(眠るように息を引き取ることができる薬)をアリスの町まで魔術で転送するなどしていた。

 彼は、たった1人の家族である娘・アンバーの死を知って以来、ずっと臥せっているとのことだ。



●その他、城に仕える魔導士たち

 おそらく全員で12~15名はいるものだと思われるが、本編にてアンバー、カールとダリオ以外は、ほぼ空気であった。これはフランシスも指摘していた。

 アンバーがアポストルとなりゆく時、やっと1人の男性魔導士が台詞を与えられたぐらいである。アリスの城での戦いの後、魔導士たちのうちの何人かは退職してしまった。



【デブラの町】

●女将さん

 本名不明。おそらく40代。164cm。

 ジェニーが冬の間だけ、働いている宿の女将さん。ジェニーの祖父・アダムからの信頼が厚い人物であると思われる。

 ボンレスハムを思わせる非常に豊満な体型。子供を望んでいたが恵まれなかった模様。少々、喋り過ぎるところも。

 彼女もまた、ジェニーとともに、レイナに部屋の温かさと食事、そして「本当にわずかな間の安らぎ」を与えてくれた人物である。



【アリスの町】

●領主 ヘンリー・ドグ・ホワイト

 貴族。50才。身長179cm。

 エヴァの夫であり、ダニエルとサイモンの父親。ホワイト家は、代々軍人系の家系である。

 やや赤らんだ顔に薄茶色の巻き毛、恰幅のいい男性。

 作中では、ジョセフの話を途中で遮るなど、少し無作法なところも見られた。彼が、10才は年下であろう奥方のエヴァの尻に敷かれているのは、まだこの世界のことなどよく分かっていないレイナの目から見ても分かるほどであった。

 ダニエルいわく「旨い話が来た時に碌に調べもせず飛びつく」ところがあるとのこと。



●領主の妻 エヴァ・ジャクリーン・ホワイト

 貴族。39才。身長169cm。 

 ヘンリーの妻であり、ダニエルとサイモンの母親。彼女が輿入れしたホワイト家は軍人系の家系であるが、彼女自身の生家も軍人系であるとのこと。

 濡れた黒曜石のような艶のある髪と瞳、大人の女としての色香を感じさせる女性でもあるが、威圧感があってどこか冷たい感じの美人。レイナも内心は彼女にビビりまくっていた。

 ダニエルとサイモンの鮮やかな黒髪は、間違いなく彼女から引き継いだものである。

 ダニエルが自ら貴族の身分を捨てる大きな原因となったのは、おそらくこの母親との確執であると推測される。



●次期領主 サイモン・ラルフ・ホワイト

 貴族。13才。身長171cm。

 ヘンリーとエヴァの次男であり、ダニエルの弟。

 彼もダニエルと同じく、母・エヴァから受け継いだ、濡れた黒曜石のような艶のある髪と瞳を持つ少年である。そして、彼もまた本作の大多数の男と同じく、マリア(レイナ)の美しさにその瞳は釘づけとなっていた。現時点では、作中での台詞はない。

 母・エヴァは、次男のサイモン”には”、多大な期待を寄せていることがうかがえる。ダニエルが貴族の身分を捨てたため、彼が次期領主となる。


 

●「影生者」の兄妹

 ※本編に直接の登場はなし

 別名:持ち逃げ兄妹。

 アリスの町にて、レイナたちをその力(目くらましのようにそこにいる者をいない者とすることができる)で万が一の時は守るようにと、ジョセフから密かな任務を承ったが、金だけ持ってトンズラした兄妹。

 レイナやルークたちは、アレクシスの町で後出しに後出しを重ねるような強引な展開によって、彼らの存在を知った。

 カールとダリオの話によれば、彼らは揃って金髪碧眼で身なりもなかなか良く、良識的な者に見えたとのこと。

 彼ら「影生者」が生まれる確率は2000人に1人という非常に低い割合である。ということは、この兄妹はこの世に”同時に生を受けた者たち”であると考えられるだろう。



●「衛生者」の兄妹をアリスの城の領主夫妻に紹介した兵士

 ※本編に直接の登場はなし

 詳細については不明だが、おそらく彼はアリスの城の兵の職をすでに解雇となっているだろう。領主夫妻の顔を叩き潰して、ただで済むとは考えられない。



【リネットの町】

●メグ・ドゥリーン・ハリス

 旅一座に属する女性。29才。身長171cm。

 作中で容姿について詳細な描写はないが、人前で歌と踊りで生計を立てていることより、華やかな印象のそこそこの美人なのではないかと思われる。

 ヴィンセントとは、恋人同士というわけではないが、大人な関係である。下品な言い方をすれば、セッ●スフレンド。

 少なくとも、ヴィンセントとは3回、体を重ねている(昨年も、そして今年の冬に至っては2回も)と推測される。

 自分の隣で眠っていたはずのヴィンセントが服だけを残して消えてしまったことも、深く疑問に思うことなく、あっけらかんとしていた。

 彼女が属している旅一座は、さらなる賑わいを目指して南下していく模様。



●「喧嘩ならよそでやってくれ」と注意したおじさん

 朝早くからの、レイナ、ルーク、オーガスト、ヘレンによる騒ぎに心地よい眠りを邪魔されたおじさん。

 彼は単なる若者同士の言い争いだと思っていたらしい。だが、ヘレンは彼を自身の術(対象者の影から酸を発し、対象者の焼き焦がす)で、即殺そうとした。

 その時、物陰より飛び出してきたダニエルにより、彼の命は間一髪助かった。

 その後、お礼としてアレクシスの町までの馬車の手配とダニエルの溶けてしまった靴も用意してくれた。


●アレクシスの町まで馬車を走らせてくれたおじさん

 厳しい眼光、頑強な背中、服の内側に常備している様々な凶器、胸元よりチラ見せしている傷痕という勲章。

 おそらく彼は、この世界でおいての元893のような存在なのだろう。もしかしたら、今も現役なのかもしれないが……

 彼はルーク、ディラン、トレヴァー、ダニエル、ジェニー、レイナという、明らかに怪しい者たちにに狙われている6人を無事に目的地まで送り届け、相場以上の金貨をダニエルより手に入れることができた。



【アレクシスの町】

●フレディ以外の凍った騎士たち 6人

 ※本編に直接の登場はなし 

 アダムがアレクシスの町の山間で発見した凍った騎士は、フレディ含め7人であった。

 巡ってくる冬の季節に1人のペースで、アダムは彼らの魂を順番に冥海へと送っていた。だが、ちょうど最後の凍った騎士であるフレディの番が来た時、術が中断されてしまい……フレディだけが蘇生してしまった。

 先に冥海へと行った彼ら6人の名前や詳細な容姿については不明。ただ、19才のフレディと同年代の青年たちであることは推測できる。

 約200年前、フレディと彼ら6人は戦地に赴く時に、円陣を組んでいた。



●白髪頭のじいさん魔導士

 ※本編に直接の登場はなし(フレディの記憶)

 フレディたち7人の騎士に、その若き肉体だけでなく、魂までも生まれ変わることのできないように凍てつかせるという陰険で邪悪な呪いをかけた魔導士。

 普通に考えると(この世に生を受けた人間は誰もが必ず死ぬということを考えると)このじいさんもすでにこの世にはいないはずだ。

 そうなると、フレディたちの魂を200年以上も凍てつかせていた、このじいさん魔導士の目的とは一体何であったのだろうか?



●駆け付けた役人たち

 アダムの家一帯から町にまで届いた大爆音(ネイサンの超絶パワーによる攻撃)の通報により、何事かと馬を走らせ、やってきたお役人さんたち。

 彼らは皆、目の前の惨状を見てあっけにとられていた。

 アダムの言う通り、ネイサンはアレクシスの町において何十年に一度レベルの大事件を引き起こしたこととなる。



●アダムの家の後片付けに来てくれた民たち

 異世界にもやはり、助け合いの精神が根付いているのか。

 アダムはやや頑固なところはあるものの、きちんと近所づきあい等はしていたこともうかがえる。



【???】

●ニーナレーン

 現在に語り継がれている伝説によると、約1000年前に海の上で追い詰められ殺された神殿の巫女――ニーナレーンはアポストルとなり、この世界で数多の命が生まれいづる冥海を守るようになったとのことである。

 嘘か誠か確かめようがない伝説上の人物である彼女。

 だが、この世に生まれいづることができなかった弟王子が「さる者より話を聞き、ニーナレーンの海より、しばし抜け出してきた」と確かに言ったことから考えると、彼女は創り上げられた伝説上の人物ではないのだ。

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