戦場大助の日常
九重九十九
第1話 五体面か胴面か
妖怪幽霊有象無象、そんな物は昔のもので、たまに夏の特番でみる程度のものだと思ってた時期が俺にもありました。
「ただいま」
「戻ったか」
月二万(ただし、賄い付)のボロアパートに戻ったなら、勝手にテレビの前を占領してテレビゲームをしている小守がいた。いったいどこからもってきたのか ゲーム機をテレビにつないでイカのゲームをしてやがる。
小守は、丁度試合が終わったのかゲームをいったん中断してこちらに顔を向ける。
「お帰り」
小さい体の腰まである髪はぼさぼさで、右の目が隠れている。
「ただいま。早速だが小守、帰り道で妖怪っぽいのにあった」
「ほう、特徴を教えろ」
居候の分際で偉そうにできるあたりコイツには常識がかけているということを再確認できる。
「歩きで帰ってて角を曲がったら向かい側から人間っぽいのが歩いていたんだ」
「人間っぽいの? 人型ってことか」
「いや、顔がなくて胸のところに顔があった」
「そいつの顔に目玉はいくつあった」
少しだけ小守の声が固くなる。危険がある奴の話になるとこうなるのは経験でわかる。
「二つだ」
答えを聞くと、小守の表情から険しさが抜けた。
「なら問題ない。おそらく
「そうか」
「それよりも何かお菓子は買ってきたか?」
「アホか、なんで買って来てもらえると思ってるんだよ」
「わたしの扱い最近雑になってきてないか?」
小守は「はあ」とため息をついてゲームに戻った。
これは、戦場大助と人外の小守達の話である。
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