旅館
「皆さんようこそ。さ、こちらへどうぞ」
少年は畳敷きの大広間に大勢の人々を案内した。
そこには人数分の御膳が置かれている。
「さ、ゆっくりしていってくださいね~」
人々は料理に舌鼓を打ち、酒を飲んで語り合い、思い思いに過ごした。
そして翌日、少年は人々をいろいろな場所に案内していった。
そうやって何日か過ぎ
「どうでしたか? え、満足? ありがとうございます~」
少年は人々にお辞儀をした。
人々も少年に「いやこちらこそ」と礼を言っている。
「それではお気をつけて。よければまた来年もどうぞ~」
人々は少年に向かって手を振り、笑顔で帰っていった。
「この時期、帰る所がない人の為に作ってよかったよ。この無縁仏旅館」
少年はそう言って天に向かって手を合わせた。
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