儚く散った
少年は泣いていた。
儚く散った幼い命をその手に抱いて。
「君はこれからもっといろんな事を見たり聞いたり、美味しいものを食べたり仲間と思いっきり遊んだりするはずだったのに……いくら力をつけても無力さを思い知らせるよ」
その命は少年の言葉に答える事なく安らかな顔で眠っていた。
「もし生まれ変わったら、また僕達の所に来てね」
少年は命を抱きながら小さな声でそう言った。
ねえ、そこのあんた。
別に意味がわかんなくてもいいよ。
ただね……下手にわかった気になるなよ。それだけは言うよ。
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