母の日

「今日は母の日だからこれあげるね。・・・・・・ねえ、母さん・・・・・・」


 少年は母に話した。


 悲しかった事や苦しかった事・・・・・・

 

 長い長い旅路の果てに良き友に、愛する人に出会えた事を・・・・・・


「・・・・・・まあ、いろいろあったけどね・・・・・・さてと、そろそろ行ってくるね。え? 何処にって? ・・・・・・まあ心配しないで」


 少年はそう言って部屋から出ていった。


 部屋には誰もいなかった。


 中央にあるテーブルの上には花瓶があり、それにはカーネーションが一輪活けられていた。

 




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