昆虫採集
ここはどこともわからない場所のとある部屋。
「う~ん、結構集まったなあ~」
少年はあるものを見ながら呟いた。
「さてと、あとどれだけ捕って来ようかな~」
「あ、あ」
掠れた声がした。
「あれ? まだ生きてたんだこのおじさん?」
「な……を」
「『何でこんなことを』って~? あんたらだってやってたでしょ~昆虫採集ってのをさ~」
「……あ」
声を出していた男は、手足に杭を打たれて壁に磔にされていた。
その部屋には他にも多くの老若男女がいて男と同じように磔にされていた。
「虫さん達を狭い箱に入れたりさ~串刺しにしたりとかさ~……てめえらの勝手な理屈で殺して見世物にしてんじゃねえよ……てめえらも同じ苦しみを味わいながら死んでいけ」
少年は手にしていた杭を男の胸に突き刺した。
「さ~てと、これで全部かな~。さ、ここはこのまま置いといて他の世界に行こ~っと。キャハハハ……」
少年の手によって人類は全て磔にされた。
世界はまるで巨大な標本のようだった……。
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