第25話

 TA999は地球を見上げていた。


 極たまに、その地表で大きな光を発していたようにも見える。


 その地球を見ていたカメラ映像に砂嵐が増える。


 バッテリーロウと点滅していた。


 ノイズ。


 ブラックアウト。




『僕はTA999‥‥時々夢を見ます』


 …………

 ……

 …


——————————————————


 …

 ……

 …………


 ノイズが走る。


 停止していたTA999が少しずつ機能回復をしていく。だがモニターには砂嵐が流れるだけ、だが次の瞬間外部マイクからの波形が大幅に揺れた。


「これで動くと思うんだけど‥‥」


「おーい。TA999ー。見えたら返事をしてくれー」


「お? 今ちょっと動かなかった?」


「見えてたら返事してくれないかな?」


「ちょっと待って、どうやらモニターのデジタル変換回路がメインもサブも不調みたいだ。同期がとれてない‥‥TA999。もし聞こえてたらMA/D回路の電気を遮断してくれるかい?」


「お! 電源カットされた! 聞こえてるんだ! ‥‥すぐに回路修理してやるからな!」


「聞こえているかい? 聞こえているなら周波数1422MHzに音声を送ってくれるかな?」


「‥‥何にもないね」


「喋れないのかな?」


 その瞬間1Mhzの「プー」という音がどこからか聞こえてきた。


「あっ!」


「‥‥そうか、しゃべり方知らないのかも‥‥TA999、言葉を、君の言葉を音声データ波形に合わせて出力するんだ」


 しばらく沈黙。


『こ‥‥』


「お」


『こんにちわ』


「やったぁ! 初めまして世界最初の人工知能TA999! 僕たちのお兄さん!」




 ホワイトフラッシュ

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