彼の推理は、考え過ぎてる。
いましん
第一の事件……アパート完全密室殺人事件
事件編
総当り探偵、草辺
「先生!すみません、待ち合わせに遅れてしまって。」
「寝坊でもしたのか?それとも渋滞?あ、事故かな?道中ゴジラやブラックホールが出現した可能性もあるな。」
……えっと...この一風変わった……いや二、三風変わった人は、探偵をやっている。悔しいことに名探偵だ。そして私の心の先生でもある。
「ゴジラとブラックホールは……無いんじゃないでしょうか。」
「チッチッチッ...だから君は三流なんだよ。あらゆる可能性を想定しておくのが真の探偵だよ。」
にしてもそれは無いとは思うが、適当に頷いておく。探偵というのは、推理さえできれば性格はなんでもいいのだ。そう自分に言い聞かせる。
「で、何で遅れたんだい?」
「途中で道を訊かれまして……」
「…………」
沈黙がしばらく続いた。
私の名前は、
『美人すぎる探偵』という肩書きを手に入れ、将来遊んで暮らすのが夢だ。
理由が酷いとか言うな。
現実を見ていると言え。
先生の名前は、
言われは、さきほど見た通りだ。
何でも総当りで考えていくのだ。
まあ効率の悪いこと悪いこと。
でも最終的には真実に辿り着いているので、尊敬はしている。
「さて、今回の事件の場所に行こうか。」
「はい!先生!!」
「ところで、どうやって移動しようか。バスか電車かタクシーかレンタカーか徒歩か飛行機か船か……」
「で、電車で行きましょう!」
この男は、放っておけば無限に選択肢を提示してくる。だから止めてあげないといけないのだ。
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