第9話

インターネットで簡単に取り寄せられた。どうやらそのクスリは一応合法らしい。テレビなどで見た脱法ハーブ、みたいなイメージだった。

初めては、快感。快感という概念が私を襲ってきた。ああ、いい–––凄くいい。一度ハーブの快感を覚えた私が、仕事の前にハーブを使うことに抵抗は無く。ハーブをキメながらのえっちは、それまでの全てを覆す。いい、いい、いい、いい。最高だった。給料の大半をハーブに使い始めたのにも無理は無かった。もう私の中から先輩の影は消えていた。

嗚呼。これからずっと同じ日々が続くんだろう。漫画みたいに、人生でイベントなどそうそう起こる筈もない。私の人生はこれで終了–––あとはひたすら消化試合。年を取っても、同じことで食いつないでいくんだろう。最古の職業、売春婦。そりゃあまあ無くなるわけはないか、と苦笑しつつ。今日も私は夜の蝶として。躰いう羽根で鮮やかに、艶やかに、羽搏いていく。

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