第3話【装備】

どうやらここは地下にあるらしい。アーカーシャが道すがら説明してくれた。


ばれたくない類の研究だったわけだ、当たり前かホムンクルスなんて作っていたんだ研究過程の知識はないがそれがまともなはずがないしな。





研究所内を聞いてるうちに居住区に着いたようだ、もちろんここに着いたからにはやるべきことがある!それは・・・



「服だよ!あんな長い説明してて実はマッパだったとかシリアス台無しだよ!服はどこだ!」


『ぇ?裸は趣味かと思ってました。違うんですか?』


「どこらへん?そう思ったのいったいどこらへんですか?ぇ?趣味とかない。変質者とかレベル高すぎだ。アーカーシャ!」


『居住区についてなんですがそこに服なんてありませんよ?』


「嘘だろう?」


『1000年経ってます』


「そりゃそうだ…どうしろと裸で武装だけ立派、いや股間じゃない。銃のことだよ」


居住区は荒れていた、埃だらけで風化まではいってないけどボロボロで着れるものなんか有る様子がない裸族しかないのか。

覚悟を決めるしか…流石にそれは嫌だ、魔法でなにか使えるものはないのか!?


俺は魔法知識を引き出した。


「ってあるじゃん、なるほど土属性魔法【アルケミー】か。物質変換や形状変化ね。ぼろきれ集めて練成しよう俺ならできるはずだ!」




居住区といっても本当に隠し施設だったようで20人程度が生活できる寮みたいな階層があるだけだ。かなり引き払われている様子でろくな物がない。

俺は片っ端からカーテンやらぼろ布を集めた。


「集まった・・・。でも意外と疲れないね。この体すっげぇ性能いいや。力も前よりあるし体力もばっちりか流石万能目指しただけはあるね」


集めた場所は談話室的な集まる場所っぽい空間だ。個人のものじゃなかったのかとりあえずボロボロだけどソファーとテーブルがある10畳ほどだ。


「とりま、下着と上下だな」


テーブルに集めた布以下略の山に術式を展開する。本当に自然に使えるこれも擬似経験のおかげかとなんとも微妙な気持ちになる。


ボトムは、装備的に銃だしジーンズでいいか、多少ウエストは大きめでベルトで調整だな。色は濃いめのブルーでシルエットは細めでいいや。


上は適当です、無地のオフホワイトのロンTかな、アーカーシャもあるし。流石に日本にあるプリントTとかデザインに自信ねぇし。

下着はボクサーパンツ派です。


イメージ通りに作成のため術式を調整しつつ発動した。


「おおーー、できた!裸族の開放だよ」


イメージ通りにホントにできた。イヤイヤ便利すぎるだろこんなのが巷にありふれていたら、どうなるって話だよ。


作って改めてよくわかった、これは武器・防具・小物までばっちり使えるやつだ。外はどうなってるのか興味が尽きないね。


少なくとも日本とは社会形態自体全然別物になる程度には魔法は反則だ。


無論これも使用して改めて分かるけどかなり計算能力や術式の専門知識が必要では有る。インストールされていなかったら間違いなく使いこなせていない。



「着よう」


『マスター」


「今、着るので忙しい。あとで」


『服なら、拡張空間にありますよ』


「!?」


『下着やインナー、ボトム、シャツ、アウター、シューズまで完璧です』


「!!?」


『出しましょうか?ちなみにデザインなども私で修正もでき、かなり丈夫な素材に魔法的処理、まぁエンチャントもバッチリな高性能品です!』



会ってまだ1日目その日俺たちは初めての喧嘩した。






魔具に遊ばれた。しかも自分の相棒になるやつに、屈辱すぎる。服には満足している、デザインはさっき作成したのと同じでより着心地抜群だし


素材的に作成できなかったブーツとコートもあり一気に文明人になりました!なりましたぁ!釈然としないけど。


ちなみにコートとブーツは黒、ベルトはワインレッド。



「はぁ…アーカーシャ、今度は先にいってくれよ。時間勿体無いし」


『【アルケミー】もバッチリ使えるようになったじゃないですか。魔法の利便性も認識したでしょう?結果オーライじゃないですか』


「集めた素材意味ないよ!」


『大丈夫です、流石に寝具まではありませんし、そっちを作りましょう』


「・・・・・・・・・・・ー~!」


『結果オーライです』


「やっぱお前ユーモアだわ!」




後やるべきことは、っと。


「さてそろそろ、装備の確認をしようか」


『やっとですかマスター』


「はいはい、アーカーシャなんだっけ?【リベリオン】と【ヴェンデッタ】だっけ?反逆と復讐とかこの状況でどんな皮肉だよな。相手いないっつの!はぁ、出してくれ」


『イエス、プットアウト』


手元に二挺のデカイ銃が一瞬で現れた。銃身と銃剣が一体化したリボルバータイプ。バレル部分が肉厚でゴツイ。デザイン性にも拘りでもあったのか装飾銃っていうのか?大分おしゃれだ。俺は慌てて手に取ったがその重さにビックリした。


「っおっも!」


『二挺とも基本デザインは同じです。色だけですね。【リベリオン】が黒で【ヴェンデッタ】が白銀です。

全長バヨネットの部分も入れ50cm44口径のマグナム弾を採用です。素材はヒヒイロカネとオリハルコンの合金に硬化と復元のエンチャントをガチガチに掛けています。最高素材にこのエンチャントならまず壊れません。さらに弾丸は召喚でのリロードを採用しているため拡張空間内の弾丸がなくなるまで連射可能、薬莢はチェンバーから回収し再度弾丸作成に利用します。銃自体も手元から離れても召喚できるため隙はありませんよ!』


「すげぇマシンガンな解説ご苦労」


『まだです!弾丸はミスリルと鉄の合金製、なので弾丸その物にエンチャントの効果も高い!費用も高いですが。

なので銃の素材的性能も合わさって魔法使いにとっては涎が垂れるほどの一品です!魔力増幅効果は2倍ですよ。

マスターの圧倒的な魔力量もあいまって最強に見えます、あぁちなみに1挺13キロです』


「ちょくちょくネタ挟んでくるよね、なるほど魔法使い的には杖的な効果もありと。だけどいいか?」


『嫌です』


「持ちづらい、重い・・・のは意外といけるかな?」


『がんばりましょう』


「だけど俺の身長140cmほどで、手は小さいわけなんだが」


『魔法魔法』


「オイ」


使いこなせるのかこれ!?

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