「おはよう、妹よ。おしるこができてるぞ、飲め」
私:
「お兄様、貴方の頭はすでにお正月気分ですのね? 素晴らしいです!」
兄:
「朝から煽りよる。あー、なんだ、最近徹夜が続いてっからな。これからも続く予定だし、むしょうに甘い物を飲みたくなった。汁粉を飲んで一気に片をつける」
私:
「だからといって、私もですか……普通、朝といえばおみそ汁でしょう。おしるこは、お正月でお休みの朝とかに、ゆっくり飲むべきですわ」
兄:
「作ってもらってるくせに贅沢言うな」
私:
「わかりました。じゃ、ご飯つぎますので」
兄:
「ごはんなどない!」
私:
「……は?」
兄:
「バナナならある。ほれ」
私:
「……平日の朝から、バナナに、おしるこ……?」
兄:
「バナナは栄養価が高い。ついでにしるこで糖分を回す。完璧だろ?」
私:
「……テメェは本日、家で仕事だからいいでしょうが。私はこれから学校なのですわよ。お兄様ぁ?」
兄:
「うむ。ちゃんと歯を磨けよ。小豆が歯についてたりしたら、笑われるぞ」
私:
「( ^ω^)キ」
兄:
「なんだよ。その顔は。文句があるなら食べなくていいのだぞ?」
私:
「お兄様がアレなら許しましたわ。何故か料理スキルがマイナスにぶっちぎっていて、得体の知れないグロテスクな代物を作りあげるヒロインなら許しましたわ」
兄:
「あ?」
私:
「しかし実際に性質が悪いのは、料理が普通にできて、食べれる物を作れるのに、気分で変な物を作ってみたり、献立を急きょ変えてみたり、そういう〝飯マズ〟要素を、まったく唐突に、ランダムに、自分の属性として取り入れて身内に提供するパターンですわ。この、実に、朝から、めんどーくさい、微妙な怒りを、私はどうすればいいのでしょうか? 以上、心の声からの実況でした。いただきます」
兄:
「それ以上言うと、貴様のおしるこに紅しょうがを入れる」
私:
「これはこれで、たいへん美味しゅうございますわ」
兄:
「お前の引き際の良さは嫌いじゃないよ」
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