「たまには悪役令嬢みたいに罵ってみろ」

私:

「そんなとつぜん、罵れと言われましても」


兄:

「キャラクターの方向性を掴むためだ。実際に自分で演じてやってみろ」


私:

「……それでは、えぇと……パン買ってこい、お兄様」


兄:

「俺はパシリか」


私:

「難しいです。お兄様にも設定をつけてください」


兄:

「なるほど……じゃあ、アレだ。俺は貴様の執事だ。お嬢様」


私:

「えっ? 誰が執事ですって?」


兄:

「だから、俺だよ、オレオレ」


私:

「……鏡をご覧になった方がよろしくてよ、お兄様」


兄:

「こんな仕事やってられるかぁっ!!」


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