断罪の書

紅黒蝶

~プロローグ~


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 -少女は喜ぶ

 自身が願う事が叶うことに


 -少女は怒る

 復讐を心に秘め


 -少女は哀しむ

 何故こうなってしまったのかと


 -少女は楽しむ

 やっと解放されると


 -少女は


 絶望した



 --



 この世界はなんと残酷なんだ。もう私を必要とする人はいない。守ってくれる人も一緒にいてくれる人も、そう、たったそれだけのこと。あの日私は生きる理由を失った。

 私のいた村は小さいながらも楽しく幸せだったと思う。そう、『あの日』が来るまでは。

 それは突然国の兵士達が来た日、悪魔狩りだと言い私を差し出せば他の人の命だけは助けてやると。私の家族や近所の人は私を差し出すわけないと言ったのだろう。兵士達は悪魔を匿う村だと言い村の皆を皆殺しにしてしまった。皆最後まで抵抗していたがあっさり死んでしまった。この村にいる人は兵士達に殺されてしまった。

 私の、私のせいで。この忌々しい容姿のせいで。

 お父さんもお母さんも輝く様な金色の髪、透き通る様な青い瞳。だけど私は違う。闇を吸ったような真っ黒な髪に瞳。

皆と違う黒、この世界では魔物や悪魔の色と言われている黒。そんな私を自慢の子だと大切に育ててきてくれた。村の皆は最初は恐ろしがっていたらしいけど皆私に優しかった。

 数ヶ月前、旅人がこの村へ立ち寄ってきた。物資の補給らしかった。去り際に私を見つけて怖がっていたのは記憶に新しい。もしかしてあの旅人が国に言ったのだろうか。


「あの村には悪魔がいる」


 と、

 辺り一面真っ赤。所々何かの塊が落ちている。否、元人だったモノだ。今、私の周りには生きている村の人間はいない。いるのは国の兵士達だ。その中でも一際きらびやかな服を着た明らかに偉そうな人が私の前に来た。私のことを穢らわしい、汚物を見るような目で見ている。


「悪魔め、観念しろ。お前のせいで皆は死ぬことになったのだ。あとはお前だけだ。」


 そう言い剣を私の方へ振り下ろした。


「嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だっ!!」


 それが私の最後だった。



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