世界終了記
矢崎九良
prologue
ここは何処だろう……
周りを見ると、自分が巨人の足のような形の木の根に腰掛けているのが分かる。
頭上を青空をバックに鳥が飛んでいく。
でも、肝心なことが何一つ分からない。
自分が此処に、どうして、どうやって来たのか。
そして、自分が何者なのかも……分からない。
ただ、誰かを待っていたような気がする。
その時、目の前の茂みが揺れ、中から一人の少年が出てきた。
その少年はボクの方を見て嬉しそうに笑うと傍まで駆け寄ってくる。
『兄さん、久しぶり』
この少年の言う『兄さん』とはボクのことだろうか。
どうやら少年はボクのことを知っているようだが、ボクは少年のことをなに一つ知らない。
『どうしたの?もしかして、調子悪いの?』
返事をしないボクが気になったのか、少年がボクの顔を覗き込む。
ボクは少年の顔を見て————
「君は、誰……?」
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