この作品に登場するメリーさんは幽霊ではありません。この作品に登場するメリーさんは幽霊ではありません。大事なことなので2回言いました。
この物語は、大学生の辰とメリー、二人のオカルティストがバディを組んで怪奇現象に関わっていくというものです。7話「真実はSANチェックと共に」にてひとつの物語が完結していますので、まずはそこまで読み進めることを推奨します。
この作品でもっとも魅力的な部分をひとつ挙げるとすれば、私はとても悩んだ末に「主人公とメリーさんの関係性」を選ぶと思います。初心で瀟洒、小粋で茶目っ気たっぷりのJDメリーさんと、その相棒であり後期心旺盛な探索者でもある辰。二人の軽妙なテンポの会話や、もどかしさすら感じさせる友だち以上恋人未満の間柄。私はすっかりこの二人のやりとりの虜になってしまいました。
また、キャラクターの魅力だけでなくホラーとしての描写も秀逸ですね。ビクッと身体が震えたのは久しぶりでした。さりげなく描写される小道具や、思わぬところから飛び出してきたクトゥルフ神話ネタなど、要素の使い方がとてもうまい印象を受けました。