僕とメリーさんの怪奇ファイル
黒木 京也
プロローグ
変態の定義
僕は変態だ。
何がと聞かれたら、色々な意味で。
変態にもいくつかの解釈がある。私見も含めて述べれば、変態とは。
一つ。形や状態が変わること。ヤゴからトンボみたいに、動物的なやつだ。
二つ。変態性欲の略。性的な行為や対象が倒錯しており、悪趣味・異常な形をとって現れるさま。またはその傾向のある人。単にエロい人を指すときもあるだろう。
最後。普通の状態と大きく違うこと。異常な状態。
これらと僕を照らし合わせたならば、該当するのは二つ。順番に見ていってみよう。
まず、一つ目はない。僕は怪物などではなく人類だ。生物学的な変態はしないので、これは除外していい。
二つ目は、当てはまる。何故なら僕は男なのだから仕方ない。男は基本皆エロい。それが大っぴらか、ムッツリかという些細な差はあれど、ともかくこの定義は僕の中には存在していると言えよう。細かい点は、勝手に想像しろとだけ述べておく。
では最後は? これは、僕以外ではこの世で一人しか知らない事実だけど、当てはまる。当てはまってしまう。
僕は、異常なんだと思う。普通の人からは、少しばかり逸脱していると言えるだろう。
信じるか信じないかは任せるけど、僕は……幽霊が見える。
これから〝僕ら〟が語る、いくつもの物語に名前を付けるならば……。
『怪奇譚のスクラップ帳』
そう語るのが、一番しっくり来る。
大学時代。僕のほぼ二十年な人生で最も充実していて。最も死や危険と隣り合わせで。そして、最も鮮烈に生きていた頃の物語。
同じく〝変態な〟相棒と共に立ち上げた、奇特なサークルにて奔走した、徒然なる日々をクリップしたものだ。
興味があれば、夜更かしのお供にでも利用してくれればと思う。
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