銀河学園警察

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序章 光輝く北極星

Listen to Linear Blue!!



  001



 西暦などという紀年法が形骸化してしまっているぐらいには遠い未来。

 人という生き物は限りなく膨張し続ける宇宙と同じく爆発的に膨れ上がっていき、全銀河の八十パーセントを統べるほどの生命体になっていた。

 人類は果てしない時を消費し、あらゆる星を巡り、様々な命、多種多様な文化に触れ、時に対立することもあれど、基本的にはほぼ触れあった全ての知的生命体と友好関係を築くことに成功する。

 またそれこそ星の数ほどの多様な生命と交わり続け、それらの命を人類に属させていき、人々にとっての生存可能環境を増やしていく。これによる際限ない人口爆発が起こり、留まることを知らず、増えて、増えて、増え続けた結果。混血等を含めた人類の総数は亥を優に超えるほどに至る。

 そんな、ほぼほぼ【ヒト】が治めかけてしまっている銀河。のとある星雲、一つの星。

 【比翼グループ】という巨大組織の元、限りなく有限と化された無限の宇宙から、学びたいという意志を持った者達を集めた、学業のみに特化し造り上げた恒星が一つ。

 名を、学星寮。 

 人口おおよそ三十二京、その九十一パーセントが学生で構成されており、学ぶことにかけては銀河一の星。

 無論、学生というからには若者がほとんどであり、未熟、ゆえに比翼グループは学生の有志を募り、指導、育成。彼らに学園警察という役職を与えた。

 これにより出来上がった治安維持組織兼学星寮の自浄システム、これを【天津十三星団】と名付ける。

 星の皆が皆罪を犯す訳ではないものの、そういったことでしか自らの価値を見出せないものや、努力が結果に繋がらなかったもの、溜まりに溜まったストレスやプレッシャーをよくない形でしか吐き出せないものたちも少なからずいる。そんな彼らを粛清、更生させるため、学園警察も相当数この星にいるのだ。

 そして全ての学園警察官は十三星団、グラウディオス、シリウス、ペテルギウス、プレアデス、ペルセウス、ポラリス、エリダヌス、カノープス、ベラトリックス。ガクルックス、デネブ・カイトス、ミアプラキドゥス、ポルックスのどれかに所属している。

その中の一つ、ポラリス星団のトップチーム、オルフェウス。

 これを率いるのは『極光北極星クロスノーザンクロス』ことエヴァンスロード・アルフィーネ。

 

 この物語は、彼の、彼らの物語である。


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