オタクの彼女は完全無欠のヤンデレ彼女?!
鶴宮 諭弦
第1話 出会い
オタクに彼女は不要! そう思っていた僕こと藤城高校に通う1年、青山 直樹はオタクであるそれも重度のオタクだ。
中学時代は3次元に恋などしたことなく2次元の嫁たちを愛してきた。
そんな中学時代を普通の人なら暗黒時代だったとでも言うかもしれないが、僕はそんな中学時代を恥じたりなどしない! むしろ誇らしく思ってるほどだ。
そして高校に上がった僕は中学時代と同じく、2次元の嫁たちを愛して行こうと決意していた。
しかし、その堅い決意は入学して1か月後、あっさり砕け散った。
その日、僕はいつも通り愛読書であるラノベを読みながら登校していた。
ただ違ったのはいつもと登校する時間が違った。
昨晩は深夜にどうしてもリアルタイムで観たいアニメがあったから観た。
そこまでは良かったが、アニメがあまりにも神回過ぎて興奮してしまい寝れなかった。
その為いつもより早く登校したのだか。
「風が強くてまったく読めねぇ」
風によってページが流されていき、そろそろ苛立ってきた。
仕方なく僕は本をしまい、普通に歩くことにした。
しばらく歩いてると坂道の途中で猫と遊んでる、
うちの学校の女生徒がいた。
その行動自体は普通のことで、なんの変哲もないことだか、2次元しか愛さないと決意していたはずの僕はその女生徒に見惚れてた。
その女生徒は美しく長い黒髪を持ち、モデルのように細い足に焼かれていない白い肌、そして猫にさながら天使の笑みのように優しく笑っていた彼女はまさしく2次元にしかいないと思っていた、美少女だった。
そして、僕はこの人に不要だったはずの気持ちを抱いてしまった。
僕は学校に着くとすぐに、朝見たあの天使のような美しい彼女の情報を集めることにした。
「なぁ。桐谷、少しいいか?」
「ん? お前から声をかけてくるなんて珍しいな……でなんだ?」
とりあえず僕は比較的声をかけやすい隣の席のイケメンでリア充オーラ出しまくりの桐谷に聞く事にした。
ちなみに言っておくが2次元を愛すると決意して いるがボッチというわけではない、ちゃんと友達 だっている。そんなに多くはないですけど。
この桐谷 亮はそんな僕の数少ない友達だ。
まぁそんな僕の悲しい友達事情は置いといて、
「桐谷さぁ、黒髪ロングで細い足の色白の綺麗な人知らない?」
「黒髪ロングの色白の綺麗な人? もしかして白川先輩のか?!」
まさか1人目から有力な情報を得られるとは思ってなかったが運が良かった。
「ああ、それなりの有名人だからな」
「へぇ、その白川先輩は何で有名人なんだ?」
「そりゃ、お前、白川 七海先輩は美人なうえに空手部で全国にも行ったことがあるらしいからな、しかも成績も上位10位以内らしいしな」
「それは……凄いな」
白川先輩、僕の予想をはるかに越える人だった。
「だろ、まさに完全無欠って感じだよ!」
僕は中々凄い人に一目惚れしてしまったんではないか? 桐谷の言葉を聞きながら心の中でそんなことを思っていると
「にして、お前が3次元の女について聞いてくるなんてなぁ」
桐谷が考え深くそんなことを呟く、
「何か、悪いかよ」
「いや、ただ午後から雪か槍か、はたまた剣でも降ってくるんじゃないかな~、と思っただけだ」
完全に冗談で言ったと思われる言葉なのに目はやけに真剣だったのが、めっちゃ腹が立った。とりあえずその真剣な目を潰してやりたいと衝動に駆られたが、なんとか堪えた。
もう1つどうしても聞かないといけないことがあるからだ。
「それにしても白川先輩ってそんなに凄くて綺麗なら彼氏とかいるのか?」
これだけはどうしても確認しておかないといけない。
「いや、いないらしい」
その言葉に内心ホッとしていると、しかもと桐谷が呟き。
「噂では、高校に入ってから1度も付き合ったことがないらしい」
「1度も?」
僕は意外感を隠せなかった。
「ああ、1度もだ。告白する人は結構いたみたいが、全員玉砕され返ってきた人は廃人になるか、発狂して返ってきたらしい」
「発狂?!」
えっ何? 白川先輩はいったいどんな断り方したの?! 怖っ!
「だから3次元の女に興味を持つなら別の女にした方が良いぞ~」
桐谷の親切心なのかそんな忠告してきた。
「まぁ、暗黒時代を抱えるヘタれオタクに告白する勇気なんてないか」
そして笑いながら殺意がわくような余計な一言はも付け加えてきた。
「お前の僕対する考えたかたは置いとくとして、情報ありがとうな!」
席に戻った僕は今後の友人関係にひびが入りそうな会話をしながらも手に入れた、情報を整理することにした。
白川
そのうえ藤城高校随一の美人、しかも1度も付き合ったことはなく、告白してきた人は片っ端から廃人or発狂化してる。
そんな凄いながらも一目惚れした僕からしたら絶望的な情報を頭で情報を整理しながら、僕の心には更に火が着いていた。
ラノベにしか無さそうな経歴を持ってる人に暗黒時代という経歴を持つ僕が告白し成功させようとしてるいるのだ、これで火が着かない筈がない。面白い。
絶対に成功させてやる!
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