日々是夢幻
黒い森の中をゆく。夜。俺が殺した数多くの者が怨霊となり、新月に乗じて、ひしめきあい渦を巻きながら襲いかかる。だが俺は、それがただの幻の変化に過ぎず、この森を抜ければ力は及ばないことを知っている。たいていのやつらは朧な血の幻に耐えきれず、気が狂ったようになって自らを傷つけ弱めとりこまれてしまうから、ここから脱け出せぬままなのだ。
目の前が真っ暗になり何も見えない。闇に取り憑かれた。どんどん重心が沈んでゆく。怨霊が俺の
じょじょに闇が薄れる。同時に粘りつく闇の力も、潮が引くように、すうっと退いてゆく。
天窓のような
外から話し声が聞こえてくる。落下クライミングのルールについて、男の声が説明していた。パラシュートで落ちてくる人間が垂らしたロープに攀じ登る競技。落ちてくるまでにいかに空中高く登れるかを競う。スカイダイビングとロッククライミングの難しさと
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