第4話 モーニングです。

 あの後、俺は自分の部屋で寝ていて、朝起きるとちゃんと三人共、俺のベッドで寝ていた。あ、俺と一緒にじゃなくて俺は床で寝て三人がベッドで寝た。


 朝飯は、トースト至って普通のトースト。食パンを焼いてバターを塗ったやつ。特別な作り方があるわけではないがなんとなくモーニングの定番だ。それと、コーヒー。人数が増えたからお湯と豆の量を変えて作った。


 あと1時間で7時。開店準備を始めよう。

「三人共、掃除は出来る?」

「もちろん出来るが、マスター、この店まだ綺麗じゃないか。」

「見た感じは綺麗でも一回掃除してからじゃないと、人によっては不快だからな。じゃあテーブルと椅子拭いておいて。」

「了解ラジャー!」


 さてと、床は掃除機かけとくか。家の方と兼用の掃除機を持ってくることにしよう。


 みんな掃除機をかけると音にびっくりしていたが、すぐに魔道具と割りきったらしく掃除を再開した。


 大分掃除が済んだころ、ミルヒがこの店の利用客について聞いてきた。さすが元店長。

「えっと、まあ社会人とか、学生とかかな。曜日によっても違うけど。」


 平日は朝と昼間。今日みたいな土日は夜も来るお客さんがいる。まだまだ少ないけどね。


 開店準備を済ませて待っている時に気がついたのだが、エプロンというか洋服の類いを新しく買ってやんないとな。


 とりあえず、俺の予備エプロンを三人に渡して今日は済まそう。スノウには大きいようだし、マークは大きい胸にサイズが合っていないし、まともに着ているのはミルヒだろうか。


 さて、今日も開店します。


 今日、一番最初の客は近所に住んでいる友達だった。


「セイジ、人雇ったのか?」

「え、まあそうだけど。」

「あんな可愛い子、三人もよくこんな店に来てくれたな!」

「こんな店で悪かったな。注文は?」

「じゃあモーニングセットで。」

「飲み物はコーヒーと紅茶が選べるがコーヒーをおすすめします。」

「原価が安いからだろ、まあコーヒーでいいよ。」


 この店のモーニングセットはトースト、サラダ、フルーツ、飲み物で冬場はスープが選べる。自分で言うのもあれだがそれなりにこだわっているつもりだ。


まあ本当はかまどもあるしパンは自分で焼きたいのだが、面倒なので仕入れている。今度、あいつらに教えて、焼いて貰ってもいいかもしれないな。


それから、サラダは季節の野菜から安くて美味しい物を選んで作っている。ドレッシングは月替わりにして変えている。今はフレンチドレッシングを作って使っている。


 ちなみに、フレンチドレッシングと言うがこれはフランスで生まれたものではなくアメリカが紀元らしい。そんなこともまあ食べる方も作る方もあまり気にしていないだろうけど案外こういう知識がどこからか入ってくるから不思議だ。


あとフレンチドレッシンングに関しては詳しいレシピは企業秘密だけどうちではオリーブオイル、塩、胡椒、砂糖、水、マスタードを混ぜて作っている。


 さて、モーニングセットの完成だ。

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