サンリコ男子
蜜河 浮
第1話
俺はポンポンプリンが好きだ。
好き、というよりも、愛している、と表現すべきだろう。
プリン君が1番だが、他のサンリコのキャラも割と好きな男子高校生。
そういう奴らが他にもいて、話題になってるみたいだけど、プリン君が好きって気持ちは絶対に俺の方が上!
俺が真のサンリコ男子なんだ。
早朝6時の新宿駅地下連絡通路。
歩く人は疎ら。
構内の柱にはサンリコの特別キャンペーンの為に設置された、巨大なポンポンプリンのぬいぐるみ達。
その各々が、笑ったり、眠ったり、はしゃいだり、それぞれ可愛い表情で待ち構えている。
彼らが俺の目当てだ。愛し合うなら今しかない。
俺は数秒迷った後、目をキラキラと輝かせて期待に心を踊らせている顔をしたプリン君を選び、抱きつきてキスをした。
柔らかい。
柔らかいが、柔らかすぎない抱き心地があるボディーだ。
俺はプリン君の開かない口を、舌を突き入れる様に舐めまわした。
抱き締めていた両腕のうち、右腕をプリン君の後頭部に回す。
顔を引き寄せる様な姿勢を取りながら、更に深い口づけを求める。
舌を動かす。
顔を左右に振る。
荒い鼻息で呼吸する。
吸い付く。
抱き締める。
──このままいつまでも熱い抱擁を続けていたいが、今日という日はそれだけで満足できる訳がなかった。
俺は懐からナイフを取り出し、
「ゴメンね」
と一言呟いた後に、プリン君の可愛らしいお尻の穴へナイフを突き刺した。
何人かの女達が、他のプリン君の前ではしゃぎながら写真を撮ったりしているが、俺の行動には気付いてはいない。
((問題無し! イケる……!))
急ぎチャックを下げ、俺の17年の生涯で1、2を争うレベルで最大限に勃起した肉棒を取り出す。
興奮しぱなしで昨夜から勃起が収まらない。
溢れ出る先走り液はパンツをグショグショに濡らし、ズボンにまで染みを広げている。
((行くよプリン君……!!))
待ちに待ったこの瞬間。
俺はプリン君の肛門に、己のペニスを突き挿れた。
「……っ! …………ぐぅ……」
ザラザラとした繊維質が、亀頭を刺激する。
少し痛い。
でもこれなら、時期に良くなりそうだ……! プリン君、愛してる……!!
挿入前にローションをかけるかどうか検討もしていたが、挿れて益々溢れ出る先走り液が、プリン君の中を数度擦っただけで満たした。
気持ちいい。
気持ちいい……!
幾度となく、毎晩の様に夢にまで見たプリン君とのセックス!興奮が収まらない!
俺達が愛し合ってる最中、通行人が何人か横を通り過ぎた。
が、このプリン君のお尻は通路の端を向いており、壁際を歩かぬ限り俺の姿はあまり目に映らないだろう。
見えたとしてもただ抱きついてる様にしか見えまい。
知ったことか。
どうだっていい。
見られようが笑われようが、今更そんな事はどうでもいい!
俺は今、この世で唯一の愛するに値する相手と結ばれ抱き合っている!
この愛は誰にも止められない。
誰にも阻止できない。
俺は誰も彼も許しはしない!
父も母も、井上や武内も許さない!
永遠に俺とプリン君は愛し合う!!
離しはしない!!
とはいえ、駅員が来る事は避けたい。
俺は悦びの雄叫びを挙げるのを我慢した。
((プリン君!プリン君!好き……!大好き!!))
腰を振る!
口づけを交わす!
涎が床に垂れる。
夢中で腰を振る!
「ハァっハァっ、……ッあ!……ハァっハァっハァっハァっ……ッ!」
息を切らし俺は絶頂に向かってスピードを上げる。
目が涙で滲む。
全てを赦された気持ちだ。
こんなに素晴らしい瞬間が俺の人生に訪れるとは!
嬉しい……!
かつてなく幸せな瞬間!
ああー!
腰が止まらない!
もう出そうだ。
出る!
音をたてながら腰を激しく振る。
出る!出る!
出す!出す!
だッ!出る!!
「好き!好きっ!!う〜〜!!」
ビッ!ビュルビュルビュルビュル〜!
俺は射精した。
愛しいプリン君に抱きつきながら、俺は彼の肛内へ射精を続ける。
目から涙が溢れた。
できる限り奥へ、奥の奥へ、自分の精子を行き届かすよう、腰を押し付ける。
そして強く抱きしめる。
「プリン君……」
ズーッ、スゥーン……ぅ……うっ……
鼻をすすり、俺は静かにむせび泣いた。
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