第6話 傍観者
その人は遠くを見つめていた。橋の真ん中で。
ぼくも寄り添うようにそちらを眺める。
何も見えない。ぼくには何も。
けれど、その人には何かが見えている。
それは過去。それは未来。それは人生。
もしかしたら、それ以外の何かなのかもしれない。
ただ、それらが何かにせよ、ぼくに許されたことはひとつ。
傍観者。見守る傍観者。
ぼくは見届ける。
その人の姿が消えるまで。
まめ電球 進道みさき @sinndou
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