第2話  あやつり人形

近くなのか、それとも遠くなのか、声が聞こえるんです。

もちろん聞いてるふりですよ。

時にはあいづちを打ったりもしてね。

まあ、聞こえている時はいいんです。

それからがこわいんですよ。

大きくなったと思ったら小さくなって、そのうちにさざ波のようなノイズに変わり音が止むんです。

音が止むとね、あたりも暗くなるんですよ。知ってました?

最後には光も消えて、しばし孤独になるんです。

そうして準備ができたら、今度は一瞬にしてライトがつきます。

そしたら本番の始まりです。

ステージの幕が開けてぼくは踊ります。

いつも大体はこんな感じです。

まあ、毎回お客さんも同じ人ばっかりですけどね。

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