まめ電球

進道みさき

第1話 追いかけっこ

気づくと走っている。

前にいる人たちに追いつきたくて。

でも、みんな苦しそう。

横に目をやれば、倒れている多くの人たちがいた。

不思議なことに笑ってる。

それを見て、ぼくも走るのをやめて寝転がってみた。

やがて、ぼくはその場に一人座ることになった。

どれくらいそうしていたのだろう。

ある時、肩を叩かれた。

振り返ると、その人達は笑ってうなずいてくれた。

そうして、ぼくは初めて涙を流すことができた。

泣いてるぼくに彼は言った。

「今度はいっしょに歩いていこう。いっしょに」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る