嫉妬ほど美しいものは無い

鈴龍

春の始まり

 高校三年の春、僕は高校に入り三度目の春を迎えた僕はいつもこの時期が一番だなーと思う寒かった冬から段々と温かさを取り戻していくこの感覚が僕は一番大好きだからだ、それに比べて冬は大嫌いだな~なんて思いながら窓を眺めていた。

 「八千草隼やちぐさはやと」、「はい!」

担任に怒られたと思い思わず起立の姿勢になってしまった。

「おい、どうした?ただの点呼確認なのに新学期そうそう気合入ってるな~」

なんだ点呼確認かよ~と恥ずかしくなり顔が真っ赤になった、それを見たクラスメイトは大爆笑

「あ、すみません」と小声になりながらゆっくりと椅子に座った。

 そんなこともありながら新学期一日目は始業式のみで校長の長ったらしい話しを睡魔と格闘しながらやっと一日目の学校から解放された。

「はやと~これからどうする?飯でも食べに行くか~?」のんきな声で僕を飯に誘いにきたのは、「カズどうせラーメン屋だろう?」榊原和美さかきばらかずみ僕が高校生になってからの友人だ、高1のころ弁当を忘れたカズに僕の弁当を半分あげたことがきっかけで仲良くなった友人だ。

「いや~まぁらーめんは格別じゃんか~」カズはラーメン好きであり九州出身だ、体付きもよく柔道部の部長をやっている。

「まぁまぁ僕もラーメンは好きだけど今日は~・・・定食屋でもよくないか」

う~んと考えるポーズで悩むカズ

「う~んじゃあ今日のところは、隼に譲るよ♪」とニコニコしながら言うカズ、いいやつを友達に持ったな~とほんの少しだけ感じたような気がする。


 定食屋について僕はとんかつ定食を、カズは親子丼(大盛り)を食べる、この定食屋は僕たちが行きつけにしてる美野里みのり食堂、ここのとんかつ定食が僕は大好きでいつもこれしか頼まないので店員さんは、僕たちが店に入ると注文を聞かずに作り始めるいわゆるお願いって感じで店に入ってる。

「よ~今日もありがとうね~」ごはんを僕たちのテーブルに運びながら話しかけてくる。彼女は「みほありがと」美野里美保、彼女はこの美野里食堂で働いている僕たちと同じ高校の友人だ、彼女の家族がこの食堂をやっていてその仕事を手伝っている感じだ。

「いやいやこれが私の仕事ですから~」と謙遜しながらも、嬉しそうにしている。

みほは、バリバリのスポーツウーマンでバスケ部だ僕がカズと友達になってこの定食屋に来たときに出会い同じ高校ということで仲良くなった。

 「いやぁ隼君今日は初日からボケかましたんだって」とみほが笑いながら言う

「はやとは少し天然なところがあるからね~」カズが親子丼をほおばりながらしゃべる「ほんんんと恥ずかしかったからその話はNGでお願いします。」

と言いながらみんなで笑う。

「そうそうBクラスにめちゃくちゃ美人な子くるんでしょ?」僕はなんのことやらと思いカズに視線を送る

「ほら、はやと全校集会でいってたじゃん他の高校がいろいろ事情があってあっちの生徒の一部がこっちの学校に来るって」とカズが説明してくれる。

あぁ~そんなこと言ってたな~なんて言いながらまったく記憶にないたぶんその時寝てたと思う。

 「たしか明々後日からその他の高校の人たちがくるんでしょ、隼君その娘を彼女にすればいいよ、応援するよ!」

「いやいやまだあったこともないのにそんなの無理だよ、第一そんなに美人な子なら彼氏ぐらいいるでしょ!!」とあせりながら僕は言う

「まぁ、はやと友達にはなれるでしょ?」と親子丼を食べ終えたカズが言う

「友達くらいになら大丈夫だからそれはいける」と僕も言いながらとんかつ定食を食べ終えた。

「そうだよね~ごめんごめん急ぎすぎたね私」みほが手を合わせながら謝る。

よしじゃあ食べ終えたことだしとカズと僕達はお金を払いみほにまた明日といい店をあとにした。

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