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醜い鷲鼻が特徴的な人型モンスターだ。
種族の特徴として、全体的に小柄だが人並み以上の筋力を持ち、棍棒や鉈等の武器を所持していることが多い。
知能は低く攻撃は単調だが、殆ど集団でいることが多いため、獲物を数で圧倒し仕留める。
人族の女性を攫い交配して数を増やすため、女性の間では嫌悪の対象として知られている。
ランクはEランクに位置し、訓練を受けた騎士が危なげなく斃せる程の強さだ。
しかし騎士の訓練も受けてない俺たち学園生では単体なら何とかなるだろうが、複数いた場合は荷が重いだろう。
幸い今は一体のみしかいないため、3人で強襲すれば斃すことが出来ると考えられる。
そう考え、音を立てないように2人の元へと戻る。
「おかえりなさい。どうでした?」
俺の姿を認め、アシュリーが訪ねてきた。
「2人とも落ち着いて聞いてほしい」
「単刀直入いう。向こうには
「「!!?」」
「まじかよ」
「この塔にはモンスターは出現しないはずでしょ?」
2人は青い顔で呟いた。
無理もない。
なにせ、初めてモンスターと邂逅するはずだ。
大人でも勝てるか分からないモンスターがすぐ其処にいるんだ。
怖くない筈はない。
「とりあえず最後まで聞いてくれ」
俺は2人が頷くのを確認してから話し始める。
「俺は
「「っ!!」」
そう告げた瞬間2人は驚きに目を見開いた。
うん。まぁ、言いたいことは分かるぞ。
しかしなにも勝算がないわけじゃあない。
「聞いてくれ。この先で見かけた
周囲の確認をしたから、これは絶対だ。
ここで俺は一度話を区切り、2人の表情を確認する。
カイルは頷き、続きを促してくる。
アシュリーはまだ青い顔をしているが、口を挟んでこない所をみると納得はしているみたいだった。
「話を続けよう。まずはアシュリー、
「ええ、やってみるわ」
アシュリーは弓を握りしめて言った。
「俺とカイルはアシュリーが弓を射った後に
其処まで賢くない相手だ、矢が当たった瞬間は痛みでかなりの隙が出来るだろう。その隙を突いて急所を狙う。
もし、其処で仕留められなかった場合は俺が正面に出て
アシュリーは後方から援護して、
カイルは隙を見てダメージを与えてくれ」
「わかったぜ」
「よし、いくぞ!」
俺は2人が頷く姿を確認し、
ーーーザッザッ
俺は手でアシュリーに指示を出すと、アシュリーは頷き矢筒から矢を取り出した。
目を閉じて大きく息を吸い込み、ゆっくりと目を開ける。
青い顔をして、不安そうだった表情は鳴りを潜めた。
その目はしっかりと
矢を番え、しっかりと弓を引く。
俺は指でカウントを取り、指示を出す。
ーーー3
ーーー2
ーーー1
GOサインとともに矢が放たれ、俺とカイルは
「€€ー!!」
弓は
「はあっ!」
カイルがナイフを振りかぶり、
俺は剣を両手でしっかりと持ち直し、頸を狙い気合いとともに振り抜く。
首元に吸い込まれるように真っ直ぐと振り抜いた剣は
以外と呆気なかったな。
俺は崩れ落ちた
「ふぅっ。以外と呆気ないもんなんだなぁ」
カイルが止めていた息を吐き、戦闘の感想を述べる。
「そうね。でも
カイルの言葉に賛同するようにアシュリーが言う。
「敵も一体だけだったしな。それに次は上手くいくかはわからない。
気を引き締めていこう」
俺は2人にそう告げると、腰に差したナイフを取りだす。
「ナイフなんか取り出してどうするの?」
アシュリーが問いかける。
そうか、実践はお互い初めてだったな。
これを機に魔石を剥ぎ取る事も癖付けておいた方がいいかもしれない。
なにしろこの儀式が終わった俺たちは、ギルドへ冒険者として登録することになる。
これからモンスターを斃し、魔石を取りだす機会も増えてくるだろう。
「モンスターの特徴は覚えているか?」
そう2人に投げかける。
「あれだろ、ダンジョンや人里離れた山や海にいる化け物だ。其処にいる
「そう。カイル、半分正解だ。だがそれだけじゃない。モンスターには獣と違う特徴が一つだけある」
俺はそう補足をする。
「ーーー魔石ね。モンスターには獣と違い魔石があるわ。それを剥ぎ取る為にナイフを取り出したということね!」
「正解だ。モンスターは核として体の中心部、つまり心臓に近い位置に魔石を持っている。
これは色々な魔道具に使用する事もできるし、ギルドで買い取って貰う事もできる。」
俺はアシュリーの回答に満足しながら説明する。
「これからモンスターに遭遇したら、剥ぎ取る機会もあるだろう。まずは俺が剥ぎ取ってみせるから、覚えていてほしい」
俺はそう言い、首なしの亡骸となった
露わになった皮膚にナイフを突き立て、胸を切り開いて魔石を取りだす。
取り出した魔石は片手で握ると覆い隠せるほどの小さくて白く濁った色をしていた。
「ふぅ。これが
まぁ、ここで説明しなくても知っているとは思うがな」
そう説明しながら取り出した魔石をポーチに入れる。
「さぁ、そろそろ先へ進もうか」
俺はそう言って2人を促した。
カイトを先頭に警戒をしつつ進んで行く。
暫く進んでみて分かったが、塔内部の構造自体は全く変化が無かった。
俺達は登ってきた道を思い出しながらきた道をゆっくりと戻っていく。
それから30分程進んだだろうか、もう少しで3階への階段に辿り着くという所で、俺たちはまた
しかも今度は少し大きな部屋の中に10体程の集団で溢れかえっており、仲間同士で争っていた。
1体か2体程は地面に倒れている者もいる。
ーーー同士討ちは万歳だ。どんどんしてくれよ。
俺は心の中でそう呟きながら部屋の中を観察する。
部屋は大体30㎡程の大きさで死角らしき物はない。
入り口は二箇所で、今俺たちが覗いている場所と、丁度反対側にしかない。
俺たちは作戦を立てるため来た道を少し戻った。
「うっへぇ。ウジャウジャ居やがるぜ。どうする?」
「あそこまで多いと少し気味が悪いわね」
カイルとアシュリーはお互いに見やり、辟易した様子で話している。
ーーーさぁ、どう料理してやろうか。
俺は
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