それでも恋でした

ぴーちてぃー

はじまりは突然に 1

あまりに始まりは突然だった。

いつから?とか、なんで?とか、聞かれても正確にきちんと答えられる自信なんてない。

だって気がついたら好きだったから。好きに理由なんていらないと思うから。

わたしの人生においてあまりにつらくて苦い恋が始まろうとしているなんて、わたしは知りもしていなかった。




高校2年生のときだった。

私、浅野瑠璃(あさのるり)はそれまで平凡な高校生活を送っていた。

仲のいい友達もいて、彼氏もいて、学校が楽しくて仕方なくて、人生がバラ色に、いや、虹色に輝いていた。


美咲「おはよう瑠璃!!うちら、クラス同じだといいね」


電車を降りて学校の最寄り駅のホームで声をかけてきたのは一番の仲良し、新城美咲だった。


瑠璃「美咲おはよ!!マジでちょーつまんないクラスだったら瑠璃、不登校になるわー(笑)」


なんて冗談を言いつつ2人で学校の門をくぐるとクラス発表の紙を見に。


瑠璃「うちらクラス違うよ!しかも瑠璃のクラス仲いい人1人もいない!!えぇ〜最悪すぎ」


1年生まで仲のよかった友達とは私だけ綺麗に離され、美咲のクラスには一緒につるんでいた茉希、あかね、美優の美咲を含めた4人の元クラスメートがいた。


美咲「しかも瑠璃とウチ、G組とA組だよ」


あぁ、瑠璃の高2の青春は間違いなく終わった。

私は始まってもいない高2の学校生活に絶望しか抱けなかった。

ましてや高1でのクラスは7クラスある中で一番と言っていいほど仲が良く、気の合う友達もいて実に高校生活という青春を謳歌していたというのに。

上げて下げられるとはまさにこのこと。

私は知り合いがほぼいない2年A組に重たい足取りで向かった。

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