孤独者
また人のことを信用しきれず、ひとつの縁を切った。きっかけはいつも些細なことだ。何となく嫌われてる気がするからとか、自然とできた集まりに誘われなかったからとか、そんな取るに足らないことだ。
断っておくなら、私は孤独を愛してなどいない。生来人を求め、理解を求め、繋がりを欲するタイプなのだろうと自己分析している。
だというのに、だ。人との繋がりが切れたとき、この心に大きな風穴が開く感覚が好きだ。痛みと虚無感と、このつらい思いが好きだ。どこかスッとしている自分すらいる。
理由はわからない。実は孤独を愛しているのかもしれないし、心の底ではそれらを煩わしく思っているのかもしれない。あるいは、自分が嫌いで、大好きな人との繋がりが切れ消沈する自分を見て、狂喜乱舞しているのかもしれない。
いや、理由なんてものはいらないのだ。ただ傷つき、清々しさを覚え、自分に「ざまあみろ」と言ってやる。そうやってカタルシスを得る。それだけでいいのだ。
そうやって私はまた、新たな関係を見つけ、壊し、癒えぬ傷と底知れぬ快感を生み増やして行くのだろう。やめようとしても、もう止まらない。
苔豚のはきだめ 苔豚 @kokebuta
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