ハッピーライフ

第1話

　幸せな人生っていったいなんなんだろうね。

　そりゃあ得たいと思ったものが全部得られる人生は後にも先にもずっと幸せと感じられるのは分かるけど、そんなことはほとんどないのも分かってる。

　それならば少しハードルを下げて考えてみよう。

　じゃあまず考えられるのがただの馬鹿であることだ。

　大したことを為さないでも幸せと思えること、幸せということについてほとんど考えもめぐらせない、一種の能力ではあるけど俺ならこんな風にはなりたくもない。

きっと世間的にはこれを馬鹿とは言わないのだろうし、大半がこういう人であるんだろうけど。

　さて幸せについて考えない人のことは置いておいて、もし幸せが得たいと願うものを得ることができることであるならば得ることが出来たことと得ることが出来なかったことの比率で決まるのだろうか。

　確かに死ぬ前であればそうなのかもしれない。

でもきっと生きている人間にとっては未来への期待が持てるかどうかだ。

　自分の思い通りにどれだけ事が上手く進むかだ。

　さて、前置きが長くなったけど今から話すのは俺自身の恋と成長の物語だ。

　みんな大好きな恋の物語だ。

結果が分かってるから先に言うけれど僕はきっと幸せになった、ハッピーエンドだ。

　物語はハッピーエンドで終わる、最高じゃないか。

　それはもしかすると君等にとっては幸せに見えないのかもしれないけど。