君と僕が過ごした青い夏

Y u m E

episode 1


本棚の上のほうに透き通った青色をした 、本を一冊 みつけた




真夏の昼下がりの図書館

この暑さのせいか人はあまりいない



みつけた本は特に目立つわけでもなく

隅っこにぽつんと


ひとりぼっちの子供のように置いてあった




この本棚の奥に私の好きな作家さんの本が置いてあるから

いつもは 、ここを通り過ぎているはずなのに


何故だか今日は

その青色の本に引き寄せられるように立ち止まってしまった




手に取ってみようとしたけれど 届かない


脚立を使おうかと思ったけれど

今日に限って他の誰かが使ってしまっている




と 、後ろからひとりの男の人がやってきた



私より背が高いその人は


私の真後ろに立ち

私が取ろうとしていたあの青い本を手に取ると


そのままカウンターへと行ってしまった




他の人に借りられてしまったなら 仕方がない



また借りにこよう 。




今日は本を一冊も借りずに 家に帰ることにした



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君と僕が過ごした青い夏 Y u m E @E____oO

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る