猿の足

 猿の足。


 猿の手とは真逆で、不本意な形で願い事を潰えさせる力を持つ。


 だから、私の好きな武井君が片思いしている加奈への気持ちを消して貰おうと願った。

 すると翌日、武井君は優子が好きになっていた。


 確かに潰えたけれど、不本意だ。


 だから、今度は武井君が優子を好きな気持ちを消して貰った。

 すると翌日、武井君は千夏を好きになっていた。


 やはり不本意だ――でも、移り気に見える武井君の事が私はもうどうでもよくなっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る