ONLY YOUR LIFE 

@kou0419

第1話

「貴方だけの生活を。ONLY YOUR LIFE」

2150年。遂に自宅用ゲーム機に革命が起きた。それはVR技術によるヘッドギアとVRMMOの登場であった。VRMMOは開発当初はゲームセンターに置かれている物だけだった。しかし、最近になって遂に小型化に成功し、ヘッドギアが発売された。




「なぁ、玲。ONLY YOUR LIFEってゲーム知ってっか?」

なんて事を夏休み直前、終業式の日にクラスメイトの相模太陽から聞かれた。

「知らないわけないだろ。あんなに有名なの。で、何?それやりたいから課題見せろと?」

うちの学校は夏休みの3週間前に課題を出してくれる。そのため、夏休み前に課題を終わらせている奴も少なくない。俺、楠玲もその1人だった。

「お、話が分かるね、玲君。そう言うこと。だからさお願い、数学の課題見せて。」

「嫌だ。」

「何でさ!?」

「自分でやれよ。3週間前に出てたんだからよ。」

「いや、やったよ?国語に英語、理科、社会。でもさ、人にはさ、得手不得手が有るもんじゃん?」

「数学は苦手だから出来てないと。」

「そう言うこと。」

「ったく。お前、そろそろそういうとこ治せよな。俺が苦労するわ。」

「ありがと、玲君。愛してる。」

「キモい。今日中に、俺ん家取りに来いよ。」

「あいよ。お礼も持って参上するわ。」





帰宅後、直ぐに太陽は来た。

そして、俺の数学の課題を然も当たり前のように自分の鞄に入れて、俺に大きめの白い箱を渡してきた。

「何だよ、これ。お菓子にしちゃかなり重いぞ。」

「そりゃな。だって菓子じゃねぇし。」

「はぁ?じゃあ何だよこれ。」

「まぁまぁ、開けて見ろって。」

ニヤニヤとこっちを見ている太陽。気持ち悪い。女子ってこんな感じなんだな。可哀想。

そんな事を思いつつ、俺は箱を開けた。中にはメカメカしいヘルメットとカードが入っていた。

「お前、これ。」

「そ、ヘッドギアとONLY YOUR LIFE略してOYLのソフトカードさ。」

「これお前のじゃないのか?」

「いや、俺βテスターだったし、もう一台もってるし。」

「なんでこんなもの俺に?」

「やっぱりさ、俺、お前じゃなきゃダメなんだよ。」

「数学の課題返せ。」

「ごめんなさい、ごめんなさい。冗談です。許してください。」

「で、なんでなんだ?」

「え、だってお前夏休みの課題終わってて暇そうじゃん、だから。」

「お前な・・・まぁ、有りがたく受け取っとくよ。」

強ち間違ってないなんてこいつには絶対言えない。

「ゲーム開始は明日の正午からだからな。」

「わかったよ。早く帰って課題終わらせろ。」

「そうだった。じゃあな、玲。また明日。」

「おう」

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