第2話
「ママぁ~そんな大きなカバンを持ってどこに行くの?」
「萌…………ごめんね」
「何で謝るの?」
「ごめんね?」
「どういうこと?」
「ママねぇ、パパと離婚をしたの」
「え?」
「だからこの家を出て行かなきゃならなくなったの」
「えっ、イヤだよ」
「ごめんね萌」
「イヤだ。萌も一緒にイク」
「ごめんね萌。それは無理なの」
「何で? イヤだよ。萌も一緒に連れて行って」
「ごめんね萌。裁判でそう決まったの。だからママも萌と一緒に行きたいけど、ムリなの。ごめんね」
「裁判ってなに? そんなの知らないよ。ねぇママ、萌を置いて行かないで」
「萌、萌、大好きよ。ママは萌のことが一番好き。このまま…………」
「このまま?」
「一緒に死んじゃおうか?」
「え? それはイヤだよ。死んじゃダメ」
「そうだよね。死んじゃダメだよね」
「ママ…………」
「ごめん萌。ママもう行くね。元気でね」
「ママ、ママぁああ~~~」
萌は目を覚ました。
涙が溢れている。
父と離婚した母と、最期に交わした会話のシーンの夢だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます