第7話
「__っ、うッ」
ジリジリと焼け付くような痛みに思わず唸って目を覚ます。まさかそんな起き方をするなんて考えている訳がなく、目覚めは最悪で、上手く焦点が合わせられなかった。
脚はチリチリと表面的な痛みの波を大きく小さくうねるように繰り返しどうにも上手く動かない。
いや、それよりも、だ。
ふかふかしていて暖かい。
「……………………? んん……?」
痛みがどうしても我慢出来ず、脚を押さえようと起き上がったとき。
「あ、起きたんだ」
「ひぃわぁ?!いッ」
突然過ぎて奇声をあげ脚を無理に動かしてしまい自滅した。ビリビリと痛み出した脚を涙目で押さえて声の発信源を見やる。
そこには青年がいた。とても秀麗な顔立ちをしていて、瞳が何処までも蒼かった。
「そ、そんなに驚いた? ごめんね?」
「はぁ、あ、いや、全然! こちらこそ!」
慌てて否定するもその効果は恐らく何もないだろう。こちらとしては勝手に驚いて勝手に自滅しただけなので気にしないで欲しい。
「……脚、平気?」
明らかに心配そうに首を傾げる彼を見て、いたたまれない気分になる。
「あ、えっと、まあ……」
「ちょっとした切り傷や擦り傷でも下手すると死ぬ可能性が有るんですって言うならまだわかんないけど、そこまでじゃないなら多分もうすぐ歩けるようになるよ。まだ痛むとは思うけどもう少しだけ我慢してね」
そう言いふわりと微笑む男。怪我の程度にはよるが、ちょっとした怪我ならすぐに治る。
……にしてもこの人かっこいいなぁ……。
ネットとかじゃかっこいい人は沢山いるけど現実じゃ何処にもいないんだよなぁ。
暢気にそんな事を考えて、ふとある事に気がついた。
あれ、話が通じてる……、っていうか、解る?
首をかしげて不思議だなあと考え込んでいるうちにどうやら考えが漏れ出ていたようで、
「あはは、違うよ。彼らがおかしいんじゃなくて、俺達がおかしいんだ」
君は俺達同様、社会不適合者なんだよ。
彼はそう言ってくつくつと喉を鳴らして愉快そうに笑った。そうは言われてもぴんと来ないし理解もできない。
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