陽のあたる放送室で - 北葉高校放送部日誌 -

朝海拓歩

プロローグ

 そこから眺める夕陽が好きだった。

 西に面した大きな窓は、晴れてさえいればいつも綺麗な夕陽を映す。

 窓から入る光は室内を照らし、全てをオレンジに染め上げる。

 書きかけの原稿、置きっぱなしのカメラ、たたずむマイク、制服姿の私たち。

 オレンジに染まる視界の中で、私はいつも思う。

 明日も晴れるかな。晴れたら良いな。

 そう心でつぶやいて、私はこの放送室から空を見上げた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る