第12話 西暦3000年 エデンの東
その日、N氏は懲役40年の刑期を終えて出所した。
その後あまりにも酷すぎる、この刑に断固反対する。と遺書を残してその日の内に自殺した。
N氏が受けた刑は通称『転生刑』
人間の脳の仕組みが解明され、一昔前のフィクションが現実のものとなった現在の新しい刑罰だ。
意識を仮想空間に閉じ込め、理想的な生活を送らせる。何もかもが満ち足りた、全てが自分のためにある世界を提供する。その間肉体は点滴と筋肉維持のための最低限の電気刺激のみだ。
そして人生の絶頂とも言える体験をした所で釈放。しかもこの刑は1人につき1回しか受けられない。
天国から追い出された人間が、どうしてそれに耐えられようか。
耐えられる人間はそもそも罪を犯さないのだから。
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