第20話 「SMOKE」and water

「ボス、「Blood Park」が全滅しましたぜ。ただ、ちと問題が‥‥。」

「水、だろ?‥‥大丈夫だ、手はうってある。」

手下の報告にマウンテンは不気味な笑みを浮かべていた。


3日前、「BloodPark」にもたらされた驚異的な致死性ウイルス。感染者から飛沫感染し、高熱と吐血によって死に至る、大戦中の未完成な兵器が使われたらしい。そして、裏で手を引いていたのはKing of AK、ザ マウンテンだった。


方舟から蘇生した科学者、Dr.ドレルは、ウィルス学の権威であった。蘇生させたのはマウンテンの医療チームであり、帝都に戻る術のない彼は、方舟の設備を使って、マウンテンのために様々な研究をしていた。

今回使われたウィルス兵器は、糖分を吸収すると活動を休止し、動物の体内にはいると体温で活動を再開する自然界には存在しないウィルス、通称「SMOKE」だった。体温以下では数分で死滅してしまうため、感染者が死亡後はウィルスも生存できないため危険は少ないが、飲料水などに混入した場合はその性質は未知数だった。

Dr.ドレルの説明によれば飲料水の貯水タンクを空にしたあと、10分以上経過すれば、ウィルスの脅威は無い、ということだった。


「BloodPark」を押さえれば、Divisio CGも牛耳れる。マウンテンは野心家だった。

「おい、船を用意しろ、レインメーカーに会いに行く。」

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