桐谷練磨 〜キリタニレンマ〜
3月18日
僕、姫路プロジェクトマネージャーの風切くん、僕の愛娘である花火の3人は来月から高校生になる桐谷練磨さんに呼び出されてプロデューサールームに集まっていた。
「犯人は、この中にいる」
僕らよりも数分遅れてプロデューサールームに入ってきたレッスン終わりの練磨さんは僕らが3人とも来ていることを確認すると、日常生活では絶対に聞くことのないセリフを恥ずかしげもなく叫んだ。
「犯人って、何の犯人?」
犯人にされる心当たりのなかった僕は練磨さんにそう尋ねた。
「昨晩、プロジェクトルームの冷蔵庫に入れておいた俺のプリンがふたの部分に名前を書いていたのにもかかわらず何者かに食べられていた。ある人物の話によれば、俺が冷蔵庫にプリンを入れてレッスンに行ってから帰ってくるまでのおよそ1時間、プロジェクトルームは人の出入りが全くなくてその時間に部屋に居たのはこの3人だったらしい。つまり、この中に犯人が……」
「居ないですよ」
犯人を追い詰めようとする練磨さんに風切くんは食い気味にそう言った。
「ねぇねぇ、人の出入りが無くて3人しか居ないはずの防犯カメラもない部屋の状況を第3者が知っているのはおかしくない?」
続いて花火が話の矛盾点に食いついた。
「と言う事は」
「犯人は僕らの制止を振り切って練磨さんのプリンを勝手に食べた練磨さんの担当マネージャー赤座くんだよ」
最後に僕が迷探偵に真実を伝えた。
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