紀ノ國日疋 〜キノクニヒビキ〜
レッスンを終えた俺はフラフラとした足取りで事務所1階の喫茶店に入って行った。
「いらっしゃい」
「マスター、どうも」
「おや、レッスン帰りかい?」
「えぇ、今日もズタボロに絞られました」
俺ももう23になり、学生時代にはなんてことなく出来たことが出来なくなってきたので毎度毎度トレーナーに1度のレッスンで少なくとも5回は怒られている。
「今夜も食べていくのだろう?」
「はい、今日もおまかせ定食でお願いします」
この喫茶店は要望には出来る限り答えたいというマスターの優しさで、材料と時間さえあればどんなものを頼んでも作ってくれる。ここ最近の俺はその優しさに大いに甘えて、マスターがその日の気分で作るおまかせ定食を注文させてもらっている。
「わかったよ。では、少し待っていてくれるかな」
マスターはそう言うと今日はあまり売れていないというカツサンドのカツを使いトンカツ定食を作ってくれた。
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