青柳雅紀 〜アオヤギマサキ〜
プロデューサーは誰にでも平等に接している。それは言うまでも無いことだ。俺の担当プロデューサーである真矢咲でもそれは変わらない。
「申し訳ありません。明日はオフだと言うのに」
「気にしないでくれ。プロデューサーのわがままを聞くと言ったのは俺だからな」
俺のプロデューサーは他部署のプロデューサーに比べると特にアイドルとの距離を一定に保っていて、プライベートで担当アイドルと食事に行ったなんて話は一度も聞いた事が無いほどだ。
「たまにはこのように担当アイドルと食事をするのも良いものですね」
「そうだろう? 川野プロジェクトのプロデューサーなんか、結構アイドルと食事に行っているらしいぞ。俺も川野プロジェクトのアイドルと一緒に仕事をした帰りに何度か一緒に行った事があるし」
「彼は行動力が人の何倍もあるので」
「じゃあ。今度からプロデューサーも給料が入ったらプロジェクトの成人組で飲みに行くってのはどうだ?」
「流石に皆さんのスケジュールの問題もあるので毎月は難しいかと」
いつも固い雰囲気のあるプロデューサーをほぐそうとした冗談だったのだがいつも通り固い雰囲気を保ったまま真面目に受け取られてしまった。しかし、プロデューサーがこんな話に乗ってくれるとは思っていなかった。
「なら、毎月出来るようにスケジュール調整頼んだぜ。プロデューサー」
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