雪隠沙織 〜ユキガクレサオリ〜

「さぁ、始めようか」


「あの、もう始まっているのですが」


「まだ紹介もしていないのに突然入って来るね。今日のゲストは雪隠沙織さんだ」


「それは失礼しました。始めましての方は初めまして、私を知ってくださっている方はいつも応援ありがとうございます。雪隠沙織です。話を戻しますが、何故真暮さんは番組が始まってから『始めようか』と言うのですか? 始まる前に1人でこっそり言えば良いのでは?」


「ボクは深い意味があって言っているのではないけど、あえて意味を含めるとしたら、そうだな……リスナーに番組が始まることを伝えるためかな」


「なるほど、今は取りあえずそれで納得しましょう。では、何故真暮さんは自分の事を『ボク』と言っているのでしょうか? 真暮さんは見てわかりますが女の子です。ですが『ボク』という一人称は男の子が使うものですよね?」


「沙織さん、それはただの思い込みに過ぎないよ。女性だって『ボク』という一人称を使う人はそれなりに居る。恐らく、沙織さんの周りではボクだけ……確か最近入った美穂路さんも一人称が『僕』だったはずだけど。まぁ、この一人称を使う女性は真矢プロジェクトの中ではボクと美穂路さんくらいだから違和感と思ってしまうのだろう」


「なるほど。では」


「待ってくれ、少し待ってくれ。この話はタイトルコールが終わってからたっぷりと質問に答えよう」


「分かりました。では、台本通りタイトルコールをさせて頂きます。アヤシイラジオスタートです。話を戻しますが……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る