美穂路蓮 〜ミホロレン〜
第5回『今日のシンデレラ』で僕はシンデレラになることは出来なかった。
結果には納得している。僕はシンデレラよりも王子様と呼ばれることが多いからだ。
今までその呼ばれ方は不服だったけれど、多くのアイドルを見ている審査員にはっきりと言われたことで王子と呼ばれても良いと思うことが出来た。ただ、
「これはアリなのかな?」
僕は『プリンスガール』という矛盾した賞を授与されて5人目のシンデレラと共に和水プロダクションに所属する事になった。
「アリ、なんだね?王子が魔法にかけられて幸せになる物語も悪くない、か。プロデューサーさん、僕を何処に出しても恥ずかしくない『プリンスガール』にしてくれる?」
「はい、もちろんです」
その返事を聞いた後、少しの沈黙が僕とプロデューサーさんの間に流れて、突然終わった。
「いや、笑うつもりは無かったよ。ただ、『プリンスガール』は面白いほど矛盾した呼び名だと思ってね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます