真鍋北莉 〜マナベキタリ〜
「誰かとユニット?」
「まだ企画段階ですが、クリスマスライブに向け新ユニットを結成しようと思いまして。真鍋さんさえ良ければ真鍋さんにそのユニットのリーダーをお願いしたいのですが」
「企画段階という事は、お断りすることも出来ますよね?」
私がそう言うと、プロデューサーはプロデューサールームのブラインドを閉めてプロジェクトルームからプロデューサールームの中を覗くことが出来ないようにした。
「あの時の失敗がトラウマになっているのですね?」
私がアイドルになりたてで和水プロダクションに入る前の事。
私は後に和水プロダクションに吸収合併する事になる小さな事務所に所属し、養成所の頃から一緒にアイドルの道を歩んできた2人の仲間とユニットを組んでいた。
ユニットとしてCDを出し、先輩の前座ではあるが初めて舞台に立たせてもらえることになった。そんな初舞台で事件は起きた。
リーダーだった私は極度の緊張とプレッシャーで頭が真っ白になり、2人と振り付けが大幅にずれてしまい私は2人の邪魔ものになってしまった。
初舞台が大失敗してしまった私たちのユニットは次の舞台につなげることなく解散。2人は事務所を辞め、私は罪悪感とトラウマで1人でないと舞台で驚くとが出来なくなってしまった。
「真鍋さんはアイドルとして今日まで多くのものを積み上げてきました。中には辛い事や悲しい事もあったはずです。でも真鍋さんは今こうしてここにいます。今のあなたならトラウマを克服できるはずです」
「さぁ、どうでしょうね。少しだけ考えさせてください」
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