忍之如何 〜ニンノイカガ〜

「!? 忍之さん、その怪我はどうなされたのですか?」


 事務所に来ていつも通りマネージャーに挨拶をした私は絆創膏を三つほど貼っていた右手の甲を指差されそう言われました。


「あぁ、これは昨日弟と喧嘩をしてしまいまして」


 まだまだ子供だと思っていましたが、やはり男の子の力はとても強く、私はほとんど手も足も出せないまま負けてしまいました。


「どのような怪我なのか教えて頂けますか?」


「心配してくれるのは嬉しいですけど、大丈夫です。ちょっと弟の爪が食い込んでいくつか傷が出来ただけでき多分3日もすれば治るはずですから」


「忍之さんは声優とはいえ真矢プロジェクトのアイドルなのですから、小さな怪我だとしても自分だけの身体ではないという意識だけは常に持っていてください」


「はい、すいませんでした」

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