迷路白竜 〜メイロハクリュウ〜

「なぁ、これって、本気、なのか?」


 本人の意思に反しバラエティの仕事ばかりをやらされている佐川剛と夏フェス限定ユニット『ドラゴンテイナー』を組むことになった迷路白竜はスカイダイビング練習用の器具で上下に宙を浮かびながらこの器具を何度か体験している剛にそう言った。


「俺にとってはいつもの事なので」


「君はもう少し自分の意思をプロデューサーにぶつけるべきだ」


「聞いてもらえていたら今こんな事はしていないですよ」


 剛の何もかもを諦めたような瞳を見た白竜はそれ以上言葉を続けることが出来なかった。


「あの、俺と組んだせいでステージにスカイダイビングで舞い降りるなんて演出をする事になってしまいすいません」


「気にするな。でも、夏フェスが終わったらプロデューサーをはっ倒す」


「やめて下さい。今の方が美味しい仕事が来るので」


 嫌がっている割にプロデューサーの身の心配をする剛を目の前で見た白竜はプロデューサーの剛に対するプロデュースは互いに不満の無いものだと知った。

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