沼木真奈美 〜ヌマキマナミ〜
「よう、早いな」
日曜日であろうと関係無く事務所に出社した川野流は自分よりも先にプロジェクトルームに来ていた沼木真奈美に声を掛けた。
「ん? 別に早くはないと思う」
確かに9時に出社というのはつい数ヶ月前まで学生だった真奈美にとって早い時間ではないが、真奈美は午後からレッスンの予定が入っているので早すぎるくらいだった。
「レッスンは午後からだぞ」
「ん、知ってる」
「じゃあ、なんでこんなに早く来ているんだ?」
「別に」
いつも素っ気ない態度の真奈美はいつにも増して素っ気ない態度でそう言うと座っていたソファに横になりふて寝を始めた。
「何なんだ? あいつは」
流はそう呟きながらプロデューサールームに入った。すると、自分の机に丁寧な包装が施された小包と流宛の手紙を見つけた。
その手紙には
「3年前、アナタが見つけてくれたから私はココにいる。ありがとう 真奈美」
と、短いながらも心のこもった文章が記されていた。
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