例によって直される事のないノイズ音が鳴り、その放送は始まった。

「初野廻の校内放送……です」

先週とは違いローテンションなタイトルコールがされると、そのテンションには合わない陽気な音楽が流れた。

「ゴールデンウィークもいつもと変わらずお仕事でしたが、今週も最後まで頑張ります。パーソナリティの初野廻です。そして、今週もゲストの方がいらっしゃっています」

「名倉、名倉弥和です。よろしく……お願いします」

あまり口数が多い方ではなく、一対一の仕事に慣れていない名倉弥和は緊張から年下で後輩の初野廻に敬語でそう言った。

「ゲストの弥和さんは『ハピらき‼︎』というユニットをされていますが、今後の目標はありますか？」

「そう……ですね、ファンの皆様との距離を縮められる様なイベントをしてみたいと思っています。ただの願望ではありますが」

「その目標が叶うのはそう遠くないと思いますよ。と、ここで一曲お聴きください。ハピらき‼︎のデビューシングルです」

「『ハッピーらっきー‼︎』……です」

弥和たちハピらき‼︎の歌うハッピーらっきー‼︎が1番まで流れると音楽が切り替わり校内放送のエンディングテーマが流れ出した。

「さて、エンディングの時間になってしまいました。弥和さん、どうでしたか？」

「緊張しましたけど、楽しかった……です。次は……ハピらき‼︎の3人で来たいです」

「是非また来てください。という事で本日のお相手は初野廻と」

「名倉……弥和でした」

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