海音真心 〜ウミネマコ〜

新年度を控えた3月中旬、川野流がプロデュースしている川野プロジェクトでは4月1日から事務所に正式に所属することになる少女たちを選抜するオーディションが行われ、5人の少女が川野プロジェクトのアイドルとして所属した。



「まずは合格おめでとう」


「ありがとうございます」


オーディションを勝ち抜いてアイドルになる権利を得た海音真心はプロジェクトルームの一角にあるプロデューサールームでその部屋の主である流と向かい合って座っていた。


「まず、真心に一つだけ了承してもらいたい事がある」


「了承? 何をですか?」


「俺は一部例外を除いて、担当アイドルを呼び捨てにする。嫌な奴もいるとは思うが、仕事上とはいえ同じプロジェクトの仲間だからそれは許してほしい」


流は今まで幾度となくこの言葉を自分が担当するアイドルたちに伝えてきた。その言葉にアイドルたちは1人の例外もなく、


「わかりました」


と、答えてきた。


「それじゃあ、早速だが真心に今後のスケジュールを伝える」


「はい、プロデューサー」


こうして流はアイドルのタマゴを芸能界へ紡ぎ多くの伝説の種を蒔いていくのだった。

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