3つの問題
事務所のソファに座り、チェリーに真珠入りチンポをしゃぶらせているものの、快楽に溺れているわけではなかった。いや、溺れているのかもしれないが、ただ溺れているだけではなかった。
チンポをしゃぶらせながら、解決策を思案しているのだ。
ボスが真剣に物事を考えるときはいつもそうだった。チンポを刺激された方が、頭が冴えて、いい考えが浮かんだ。
しゃぶってくれる相手がいなかった子供の頃は、ズボンの上から自分でチンポをこすりながら考え事をした。すると決まっていいアイデアが浮かんだ。
しかし、オルガスムスが近づくともう何も考えられなくなった。頭は射精への欲望でいっぱいになり、ピュッピュと共にアイデアも飛び散ってしまうことがあった。それでも残ったアイデアは本当に素晴らしいものであった。
イクイクイクイクイクイク、ウッ!
ボスの思考は中断され、真珠入りペニスからチェリーの口内に大量の精液をぶちまけた。
チェリーは最後の一滴が放出されるまで辛抱強く待ち、これ以上出ないことを確信すると、ペニスから口を放してボスの精液を飲み下した。再びボスのペニスを加え、お掃除フェラをして終いとなった。
「チェリー、今まで何本のちんぽを加えてきたんだ」
ボスは至福に酔いしれながら聞いた。
「真珠入りはボスのが初めてです」
答えになっていなかったが、ボスは満足した。
「俺のが一番だろ?」
「はい、ボスのが一番です」
「今日はもう帰っていいぞ。夜にまた呼び出すかも知れん」
チェリーが組長室を出ていくと、待機していたベリー3兄弟を呼んだ。
ストロベリー
ラズベリー
ブルーベリー
しかし、1人いなかった。
ボス「ブルーベリーはどうした?」
ストロベリー「まだ来てないっす」
ボス「しょうがねえ奴だ。まあ座れや」
ストロベリーとラズベリーはボスと向かい合って黒く光るソファに腰を下ろした。
ボスは着ていたポロシャツの胸ポケットから葉巻を取り出し、火をつけた。
殺し屋たちはボスの葉巻に火をつけるほど気が利きはしなかったが、ボスは別に気にしなかった。
ボス「お前らも吸っていいぞ」
二人は待ってましたとばかりにタバコに火をつけた。
ボス「早速、本題に入ろう」
ボスは、現在、組織に持ち上がっている3つの問題を列挙した。
ボス「まず一つ目はグレープ脱走の件だ」
ラズベリー「グレープ脱走?」
ボス「さっき弁護士のレモンから報告があった。今朝方、面会に行ったら留置場から逃亡していたそうだ」
ストロベリー「どうやって?」
ボス「詳しいことは分からん」
ラズベリー「さすがだな」
ボス「感心してる場合じゃない。あいつは自分が消されることを知っている。『黙って殺されると思うなよ』弁護士レモンにそう言ったそうだ」
ラズベリー「宣戦布告ですね」
ボス「早いとこ始末するしかない」
ラズベリー「何とかしましょう」
ボス「頼んだぞ」
ボスはラズベリーの忠誠を計るかのように彼の目を覗き込んだ。
この心の奥底まで見透かすような眼差しで射られる度に、ラズベリーは殺し屋にも関わらず、恐怖を覚えるのだった。
ボス「次は犬の話だ」
ストロベリー「犬?」
ボス「サツの犬が組織にいる。グレープ逮捕はサツに情報が漏れたからだ」
ラズベリー「つまり裏切者がいてそいつがサツに情報を流してるってことですか」
ボス「間違いない」
ストロベリー「でも、いったい誰が・・・」
ボス「犬の特定は俺がやる。誰か分かったらその時は始末を頼む」
ラズベリー「お任せください」
ボス「さて、次のお題はコンパニオン失踪事件だ」
コンパニオンとはボスが経営するソープランドのソープ嬢のことだった。
ボス「昨日の夜、韓国出身のコンパニオンが客をとったあとで店からいなくなった。店長は、客と駆け落ちしたとみている」
ストロベリー「韓国ってまさかソヨンじゃないでしょうね」
ボス「その通りだ。よくわかったな」
ストロベリー「マジかよ! ソヨンがいなくなったら誰を指名すりゃいいんだよ!」
ラズベリー「テメエ、ソヨンとヤったのか⁉︎ あいつは俺の女だぞ!」
ボス「誰がテメエの女だ。ソヨンはうちのNo.1だぞ。お前らなんかお呼びじゃねえ」
ボスはテーブルにあったガラスの灰皿で葉巻を揉み消した。
ボス「他にもいろいろいるだろ。ノブ子なんかどうだ。なかなかの吸い付きらしいぞ」
ストロベリー「ノブ子!? あのババア、一体いくつなんすか?」
ボス「履歴書には35って書いてあったな」
ストロベリー「んなわけあるかよ! 50は言ってるはずだぜ」
ボス「まあソヨンのパスポートは取り上げてあるから、海外逃亡はねえだろう。発見次第、連れ戻せ。何せうちのNo.1だ。店にとっちゃあデカイ損失だ」
ラズベリー「ところで、ソヨンと駆け落ちした男って誰ですか。とっ捕まえて沈めてやりますよ」
あっ、そうだ、ボスは膝を叩いた。
ボス「さっき店長が動画を送ってくれたんだ」
ストロベリー「動画?」
ボス「『ダイヴァース』に設置してあるカメラの映像だ。ここにソヨンと駆け落ちした男が映ってる」
ラズベリー「設置してあるって、まさか部屋の中じゃないでしょうね」
ボス「部屋の中に決まってんだろ。マジックミラー越しに設置してあんだよ」
ストロベリー「てことは、俺たちのセックスも録画されてるってことですか?」
ボス「まあ、とりあえずはな。店長がチェックして、いいのはサイトにアップするし、まずいのは消去する。お前らのは当然、消去してあるから心配するな。AV男優が殺し屋ってわけにもいかねえからな」
ラズベリー「軽くショックだぜ・・・」
ストロベリー「てことは、その動画でソヨンと男のカラミが観れるって事ですか?」
ボス「そういうことだ。観たいか?」
ボスはニヤニヤしながら、ラズベリーとストロベリーを交互に見た。
二人は唾をゴクリと飲み込み頷いた。
ボスはスマホのスクリーンをタッチした。
「アァッ!!! アァッ!!! アァッ!!!!」
女の喘ぎ声で唐突に始まった。
親に隠れてAVを観ている若者のようにボスはあわてて音量を下げた。
別に下げる必要はないのだが、ついそうしてしまうのは若い頃の名残だろうか?
ボス「ちょっと待てよ」
ボスは自分に言い聞かせるようにつぶやき動画を一時停止した。
65インチテレビの電源を入れ、スマホの画面を何度かタッチした。
シックスナインの静止画がスクリーンに映し出された。
女が上、男が下。
ボスはテレビの音量をリモコンで確認し、動画を再生した。
「アァッ!!! アァッ!!! アァッ!!!!」
男の舌使いは一体どうなっているのか?
ペニスをくわえるにはソヨンはあまりに感じ過ぎていた。
男の顔はちょうどソヨンの足の影に隠れて見えなかった。
ストロベリー「ソヨンてこんな声出すんだ…」
ラズベリー「韓国のセックスは黙ってやるのかと思ったぜ…」
二人とカラむときはダッチワイフに徹するソヨン。
彼らとのプレイはソヨンにとって所詮仕事に過ぎないことが明らかになった。
金を貰ってもサービスする気になれないほど彼らに魅力がないことも・・・。
それに比して、この男とプレイするソヨンは何だ? 声を上げ、唇の端からよだれが垂れているではないか。
ラズベリーは今、生まれて初めてエロ本を見たときと同様の興奮を味わっていた。
3人で観ているのが悔やまれた。1人だったら、確実にズボンを下ろしていただろう。
ストロベリーにいたっては本人無自覚のうちにズボンの上からペニスをさすっていた。
シックスナインからバックへの挿入に変わるとき、男の顔が画面に映し出された。
ボスが画像を静止した。
ボス「こ、これは・・・!」
ボスは画面を見て凍り付いた。
そこには美しい顔の若者が写っていた。
ストロベリー「知り合いっすか? 随分、若いっすね」
ボス「九一くん!」
ラズベリー「九一くん?」
そこに写っていたのはボスが愛してやまない木口九一の姿だった。
愛を告白したものの、あっさりフラれ、それでも想いを断ち切れなかった夢の恋人。
サキに殺意を抱いたのも、彼がサキの愛人だったからだ。
ボス「九一くんはバイセクシャルだったのか・・・」
そのとき、組長室の外で物音がした。
ボスは親がいきなり部屋に入って来たときの若者のようにあわてて動画を消した。
ラズベリー、ストロベリーは同時に立ち上がり、銃に手を伸ばした。
ラズベリーがドアを開け、銃を構えた。
そこは組員の事務所になっているが、今は誰もいなかった。
ボスはラズベリーに向かって頷いた。
ラズベリーは足音を忍ばせ、今度は外に通じるドアに近づいた。
ラズベリーはゆっくりとドアを開けた。
警官が足元に倒れ込んできた。
ラズベリーは瞬時に銃を警官に向けた。
警官は床に倒れたまま、ぴくりともしなかった。
ラズベリー「こ、こいつは!」
ボス「何だ」
ラズベリー「ブルーベリー!」
目の前に横たわっているのは警官の制服を着たブルーベリーだった。
目を見開いて死んでいた。
口が大きく膨らんでいた。何かが口の中に詰め込まれているようだった。
ラズベリーは指を入れて取り出した。
大きな葡萄の果実だった。
ボス「グレープの野郎・・・」
(つづく)
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